車でホテルまで戻り、ダーラムさんと別れる。 本日の日程は終了ではあるが、まだ日は明るい。
とりあえず部屋に戻り、シャワーを浴びてスッキリして、まったりと過ごす。
俺様の後にTもシャワーを浴び、その後裸でウロウロ。 そして、テーブルの上の小物をなにやら熱心に見ている。 なんか着てからすればよいものを、裸のままである。
俺様はベッドで寝っ転がっていたのだが、寸分違わずまっすぐにTの尻がこっち向いているのが非常に気になる。 と、思っていると、
『びぇんめい゛ぃ~~~ぅぃ゛っ』
と、ねちっこい放屁をかますT。 長年生きてきたが、人前で全裸で屁をコク奴は初めて見たな。 しかもおならのベクトルはまっすぐ俺様に向かっており、途中遮る物は何もない。
「てめぇ、微妙に角度をずらすか、パンツ程度のうすぎぬで俺様との間を隔てて屁をしやがれ! またはもっとさわやかな屁をしねぇか!!」
と言うと、半身振り返り、
「おお、そいつは失礼した」
と紳士風に言いながら、そのまま素っ裸でまだなんかしてやがる。 だからその尻の向きを変えろと言うに。 今度屁を扱いたらタダではすまさぬ。 まあ、全裸でこっち向かれて作業されてもかなりイヤだが。
せっかくおそろいでクルタパジャマを買ったので、二人そろって写真を撮る事にする。 しかし、三脚や程良い高さの台などが無いので、俺様の豆知識により折り畳み傘の先端にデジカメをセットし、タイマーでパシャリ。

・・・インド人と言うより、どう見ても中国武術家って感じである。

さくらももこっぽい象の柄もあったり
引き続き買ったおみやげをひもといてみる。
ひもとくと言っても、ハンカチとキッチンマットぐらいしか無いのだが、枚数を数えて見ると、1枚足りねぇ! 11枚しかないのだ。
10枚買ったので、そのおまけの1枚と、クルタパジャマのおまけの1枚で12枚無ければならないはず。 あの、クソインド人、あの後1枚ごまかしたに違いない。 全く油断も隙もないのである。
Tにも枚数を確認させると、何故かTには12枚ちゃんとあるのもまた腹立たしい。
俺のクルタパジャマのおまけじゃねーのかよ!! ムギーッ!!
しかし今となってはしょうがない。
『これがインド人なのだ。 勉強代だと思えば安い物よ。 もともとおまけだし。』
と諦める。 俺には他に買った土産も無いので、スタールビーを引っ張り出して眺めて、心を落ち着けることにする。
「うーむ、さすが美しいぜ。 さすがお高いだけはある。 この角度を変えると、星状の光が移動して何とも飽きぬ」
と、角度を変えて眺めて・・・ん?

コラッ!! 傷があるぞ!!
この傷は、店で見せていたやつには絶対付いてなかったと誓って言える。 そう思ってよく見れば、なんか店で見た物より、星の光がなんかぼやけている気がする。
あの野郎、店で見せている時は良い物を見せて、箱に詰める時に傷物とすり替えているに違いない。 イイ仕事してやがる!! インド人的には。
インド人め、もう許さん!!

「本当なら今すぐに取り替えに向かいたいところだが、明日の一番に取り替えさせねば気が済まぬ。」
とTに告げる。
しかし、Tはハッキリは言わないが、『もういいじゃん。あしたのスケジュールが狂うし。』って感じで、反応が鈍い。 『ならお前のと変えろ』と言うと、それはイヤダとキッパリ言い、
「でもそのくらいの傷は普通なのかもしれないぞ」
とよく分からない事を言いながら、自分のスタールビーを箱から出して愛でているのである。
『ああっ、あのシャッフルされて出された時に向こうを取っていれば!』と思いながら、Tを妬ましく見ていると、ルビーを怪訝そうに眺めた後、
「ウオッ!! 俺のにも傷があるぅ!!」
と叫び出す。 「なに? 見せて見ろ」とTの物を見てみると、俺様のより巨大な傷が付いている。 しかも、ど真ん中であり、星状の光が浮かぶのをじゃまをしているのである。 なんか嬉しい。
しかし、Tは先ほど自分がとった態度の手前か、あまり文句らしい事を言わず、交換に行こうとは言わないのである。
俺は俺よりでかい傷のTが何も言わないのと、ひとしきり笑ったせいでもうどうでもよくなってしまった。 別に誰にあげる物でもないし。
でも、『あのシャッフルされて出された時に素直に自分の前のを受け取っておいてよかった。』と思い直した。 つーか、今後気乗りのしない物は買わないようにしよう。
その後Tと、
「宝石を渡す時にシャッフルなんぞしてオドケたりしたのは、そんな感じで時間を稼いで物を確認させないテクニックに違いない。」
「あの野郎、イイ仕事してやがる」
と愚痴を言う。 それにしても2つ中2つとも傷物にするなんて、度胸も有ると言えるな。
とりあえず、インド人の正体を生で感じた、お買い物であった。
なんつーか、殺人みたいな暗黒的な邪悪さはないのだが、小ずるくチョロまかせるところはチョロまかそうと、常に隙をうかがっており、油断も隙もないのだ。
しかし、ここまで買い物するたびに悪さをされると、
「日本でインド人にあっても優しくしてやらない。」
と堅く誓わずにはおれぬ一日であった。
Tのノーテンキインド旅行記 7
今日はここで観光終了である。あとは、みやげ物屋めぐりをする。
最初は、宝石屋さん。「スタールビー」なるインドでしか取れない石があるそうだ。
これは石に光を当てると十字の星の様な輝きを発する所から付けられた名前らしい。
二人とも宝石なぞプレゼントする相手がいないので、見るだけのつもりだったのだが・・・。
結局、記念と言う事で、二人とも「スタールビー」を買ってしまった。
俺は「彼女が出来るまで、大事に取っておくかな?」と思っているのだが、俺様は「おふくろにでもやるかな?」などと、言っている。
それはそれで良いとは思うが、ちょっと寂しい気もする。
宝石屋を去った後、今度はインド綿を扱っている店に向かう。
ここでは、ハンカチやスカーフ、インドの民族衣装であるサリーとかも扱っている。
日本語の上手い店員が「ハンカチ10枚買ったら1枚サービス」などと言うので、
ハンカチを10枚買って1枚サービスしてもらう。この他に、インドの民族衣装男版の「クルタ」という服を薦められる。拳法使いが着ていそうな服である。
面白いから、これも購入。俺様も薦められているが難色を示す。
結局、「ハンカチさらに1枚サービス」という言葉に負け、俺様も「クルタ」購入。
これはホテルに帰った後でわかった事だが、ハンカチが12枚なければならないところ俺様は11枚しか入っていなかったのである。
「うおっ!ちょろまかされた!クルタパジャマまで買ったのにぃ!」
と叫ぶ。さらに
「ん~、このスタールビー傷が付いている!」
と、ルビーを見ても叫ぶ、
「んな、馬鹿な」
と俺は自分のスタールビーを見ると、さらに大きな傷が付いているような・・・。
「うお!俺のもなんか傷がある」
「何、見せてみろ」
と、俺様が覗き込む。
「うむ、俺の傷よりでかいな」
と俺様はなにやら満足気である。俺はなにやら悔しくなる。
今日の旅の感想は、みやげ物屋のインド人にダマされたって感じ。
アンベール城塞の象も、シティパレスの壷もどこかに吹っ飛んでいる。
日本語が出来る時点で「とっても怪しいインド人」って感じがするんだよなあ。
「見るだけ!」と日本語で叫ぶインド人がもっとも怪しい奴と学ぶ事となった二日目であった。 |
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4月 30 2001
2001年4月30日(月) エレガントインド旅行(13):お宝鑑定
車でホテルまで戻り、ダーラムさんと別れる。 本日の日程は終了ではあるが、まだ日は明るい。
とりあえず部屋に戻り、シャワーを浴びてスッキリして、まったりと過ごす。
俺様の後にTもシャワーを浴び、その後裸でウロウロ。 そして、テーブルの上の小物をなにやら熱心に見ている。 なんか着てからすればよいものを、裸のままである。
俺様はベッドで寝っ転がっていたのだが、寸分違わずまっすぐにTの尻がこっち向いているのが非常に気になる。 と、思っていると、
『びぇんめい゛ぃ~~~ぅぃ゛っ』
と、ねちっこい放屁をかますT。 長年生きてきたが、人前で全裸で屁をコク奴は初めて見たな。 しかもおならのベクトルはまっすぐ俺様に向かっており、途中遮る物は何もない。
「てめぇ、微妙に角度をずらすか、パンツ程度のうすぎぬで俺様との間を隔てて屁をしやがれ! またはもっとさわやかな屁をしねぇか!!」
と言うと、半身振り返り、
「おお、そいつは失礼した」
と紳士風に言いながら、そのまま素っ裸でまだなんかしてやがる。 だからその尻の向きを変えろと言うに。 今度屁を扱いたらタダではすまさぬ。 まあ、全裸でこっち向かれて作業されてもかなりイヤだが。
せっかくおそろいでクルタパジャマを買ったので、二人そろって写真を撮る事にする。 しかし、三脚や程良い高さの台などが無いので、俺様の豆知識により折り畳み傘の先端にデジカメをセットし、タイマーでパシャリ。
・・・インド人と言うより、どう見ても中国武術家って感じである。
さくらももこっぽい象の柄もあったり
引き続き買ったおみやげをひもといてみる。
ひもとくと言っても、ハンカチとキッチンマットぐらいしか無いのだが、枚数を数えて見ると、1枚足りねぇ! 11枚しかないのだ。
10枚買ったので、そのおまけの1枚と、クルタパジャマのおまけの1枚で12枚無ければならないはず。 あの、クソインド人、あの後1枚ごまかしたに違いない。 全く油断も隙もないのである。
Tにも枚数を確認させると、何故かTには12枚ちゃんとあるのもまた腹立たしい。
俺のクルタパジャマのおまけじゃねーのかよ!! ムギーッ!!
しかし今となってはしょうがない。
『これがインド人なのだ。 勉強代だと思えば安い物よ。 もともとおまけだし。』
と諦める。 俺には他に買った土産も無いので、スタールビーを引っ張り出して眺めて、心を落ち着けることにする。
「うーむ、さすが美しいぜ。 さすがお高いだけはある。 この角度を変えると、星状の光が移動して何とも飽きぬ」
と、角度を変えて眺めて・・・ん?
コラッ!! 傷があるぞ!!
この傷は、店で見せていたやつには絶対付いてなかったと誓って言える。 そう思ってよく見れば、なんか店で見た物より、星の光がなんかぼやけている気がする。
あの野郎、店で見せている時は良い物を見せて、箱に詰める時に傷物とすり替えているに違いない。 イイ仕事してやがる!! インド人的には。
インド人め、もう許さん!!
「本当なら今すぐに取り替えに向かいたいところだが、明日の一番に取り替えさせねば気が済まぬ。」
とTに告げる。
しかし、Tはハッキリは言わないが、『もういいじゃん。あしたのスケジュールが狂うし。』って感じで、反応が鈍い。 『ならお前のと変えろ』と言うと、それはイヤダとキッパリ言い、
「でもそのくらいの傷は普通なのかもしれないぞ」
とよく分からない事を言いながら、自分のスタールビーを箱から出して愛でているのである。
『ああっ、あのシャッフルされて出された時に向こうを取っていれば!』と思いながら、Tを妬ましく見ていると、ルビーを怪訝そうに眺めた後、
「ウオッ!! 俺のにも傷があるぅ!!」
と叫び出す。 「なに? 見せて見ろ」とTの物を見てみると、俺様のより巨大な傷が付いている。 しかも、ど真ん中であり、星状の光が浮かぶのをじゃまをしているのである。 なんか嬉しい。
しかし、Tは先ほど自分がとった態度の手前か、あまり文句らしい事を言わず、交換に行こうとは言わないのである。
俺は俺よりでかい傷のTが何も言わないのと、ひとしきり笑ったせいでもうどうでもよくなってしまった。 別に誰にあげる物でもないし。
でも、『あのシャッフルされて出された時に素直に自分の前のを受け取っておいてよかった。』と思い直した。 つーか、今後気乗りのしない物は買わないようにしよう。
その後Tと、
「宝石を渡す時にシャッフルなんぞしてオドケたりしたのは、そんな感じで時間を稼いで物を確認させないテクニックに違いない。」
「あの野郎、イイ仕事してやがる」
と愚痴を言う。 それにしても2つ中2つとも傷物にするなんて、度胸も有ると言えるな。
とりあえず、インド人の正体を生で感じた、お買い物であった。
なんつーか、殺人みたいな暗黒的な邪悪さはないのだが、小ずるくチョロまかせるところはチョロまかそうと、常に隙をうかがっており、油断も隙もないのだ。
しかし、ここまで買い物するたびに悪さをされると、
「日本でインド人にあっても優しくしてやらない。」
と堅く誓わずにはおれぬ一日であった。
今日はここで観光終了である。あとは、みやげ物屋めぐりをする。
最初は、宝石屋さん。「スタールビー」なるインドでしか取れない石があるそうだ。
これは石に光を当てると十字の星の様な輝きを発する所から付けられた名前らしい。
二人とも宝石なぞプレゼントする相手がいないので、見るだけのつもりだったのだが・・・。
結局、記念と言う事で、二人とも「スタールビー」を買ってしまった。
俺は「彼女が出来るまで、大事に取っておくかな?」と思っているのだが、俺様は「おふくろにでもやるかな?」などと、言っている。
それはそれで良いとは思うが、ちょっと寂しい気もする。
宝石屋を去った後、今度はインド綿を扱っている店に向かう。
ここでは、ハンカチやスカーフ、インドの民族衣装であるサリーとかも扱っている。
日本語の上手い店員が「ハンカチ10枚買ったら1枚サービス」などと言うので、
ハンカチを10枚買って1枚サービスしてもらう。この他に、インドの民族衣装男版の「クルタ」という服を薦められる。拳法使いが着ていそうな服である。
面白いから、これも購入。俺様も薦められているが難色を示す。
結局、「ハンカチさらに1枚サービス」という言葉に負け、俺様も「クルタ」購入。
これはホテルに帰った後でわかった事だが、ハンカチが12枚なければならないところ俺様は11枚しか入っていなかったのである。
「うおっ!ちょろまかされた!クルタパジャマまで買ったのにぃ!」
と叫ぶ。さらに
「ん~、このスタールビー傷が付いている!」
と、ルビーを見ても叫ぶ、
「んな、馬鹿な」
と俺は自分のスタールビーを見ると、さらに大きな傷が付いているような・・・。
「うお!俺のもなんか傷がある」
「何、見せてみろ」
と、俺様が覗き込む。
「うむ、俺の傷よりでかいな」
と俺様はなにやら満足気である。俺はなにやら悔しくなる。
今日の旅の感想は、みやげ物屋のインド人にダマされたって感じ。
アンベール城塞の象も、シティパレスの壷もどこかに吹っ飛んでいる。
日本語が出来る時点で「とっても怪しいインド人」って感じがするんだよなあ。
「見るだけ!」と日本語で叫ぶインド人がもっとも怪しい奴と学ぶ事となった二日目であった。
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By 俺様 • 2001年 エレガントインド旅行 • 0