ヒゲ剃り買う | どうでもいい話

 

今までは親父からもらった簡易ひげ剃りで十分事足りていたが、だんだんヒゲが濃くなってきたのかヒゲ剃りが古くなってきたのかはよくわからんのだが、ヒゲ剃りのパワーが弱くなってきた気がする。 とりあえず電気店へ向かいヒゲ剃りを物色してみた。

店内をフラフラし、ひげ剃りコーナーにたどり着く。 思ったよりたくさん置いてあり、結構な品揃えだ。
しかし、ほかのコーナーの店員は近づくと、やたら声をかけてくるにも関わらず、ここの店員は若いくせにオレが品物を眺めているのに声もかけてこない。
きっと配属時に『配属希望コーナーを書け』とかいわれて、パソコンコーナー、カメラコーナーとか、人気のところを書いていき、第5希望あたりに書くところがなくなって『ひげ』とか書いていたところ、見事当選してしまったやつに違いない。 だいたいひげ剃り売り場の店員のくせにひげが生えてないとは何という怠慢だろうか

まあ、あまり決まらないうちに店員にとやかく言われるのはイヤなので、個人的には気を楽に品物を眺めた。

俺様の記憶の中のC3POとR2D2

俺様の記憶の中のC3POとR2D2

結構いろいろなデザインがある。スターウォーズにでてくる、「C3PO」や「R2D2」にそっくりな気がするモノもある。 下手な超合金よりかっこいい。 ってゆうか、「超合金じゃないの?」と思える。 シャキーン!!と頭とか手とか飛び出してきても違和感ないぞ。
オレが子供ならこっちを選ぶに違いない。 そして、いじくっている間に眉毛やらもみあげ等を剃り落としてしまったりするのだろう。 ただ、かっこいいひげ剃りは、超合金よりも値段は高い
ヒゲ剃りは見かけと値段が比例するような気がする。 『お、これカッチョイイ』とか見かけだけで判断すると、必ず2万円近くする。 ただ性能がよい物には、デザイン的にも力を入れているからかもしれないが。

しかし、あまりひげ剃りを買うと言うことがないもんで、なにを根拠に選んでいいのかわからない。 心の中では「水洗いが出来るやつ」とだけ決めていた。
性能をチェックすると、

業界最速 毎分13000ストローク』

等と、普通がどのくらいなのか見当もつかない性能が掲げられていたりする。
チェックしているうちに、だんだんどうでも良くなっていき、剛毛でヒゲの濃い友人にあらかじめリサーチしていた「ブラウン」にしようかとおもってそっちを眺めだした。

それにしても、どのメーカーがどのくらいシェアを占めているかもよくわからない。
刃の形もメーカーそれぞれ異なっている。 『きっとこういうモノにも、たゆまぬ研究の現れなのだろう』と思う。 『画期的な刃の形状を発表して特許を取とり、年間数億円を手に入れている人』とかいるんだろうな。 また、刃の形状によってアゴヒゲにはこっち、口ヒゲにはあっちと、得意分野もあるんだろうな。

使ってみるのが一番と言う気もする。 幸い夕方だから俺のヒゲも結構のびている。 まあ、生来ヒゲの薄い方だからそれでも友人Tの剃りたてより短い気もするが。 彼はそりたてで既に青い
よって、ちょっとヒゲ剃りを試してみようかという気もするが、店員に勧められてもいないのに、店内で一人ヒゲを剃るその姿はあまりよろしくないし、そういうことをしている人を見たこともないので、やめておく。

ちなみに、刃はどうやって交換するのだろうと思って適当にいじってみるが物によってはなかなか開かない。
「えーと、これをこうしてから、ここを押しながら...」等と箱根細工のような事をしているとそのうち見事カバーが開かれた。 それと同時に剃られたひげがモッサリ落ちてきて俺の左手に積み上がる。 他人のヒゲが手に積もっている光景はとても正視に耐えられる光景ではない。 心臓が止まるかと思った。

むう。 ヒゲが落ちてきたと言うことは誰が使っていると言うことだな。 やはりヒゲ剃りも試してみるモノなのだろうか。 俺が気を使いすぎているのだろうか? しかし、海水パンツを試しばきしているようでハタから見た目みすぼらしいし、なにより左手に積もっているヒゲを見るとやる気を失う。 それどころか、もうなにもかもイヤになって現実逃避してしまいそうだ。

俺がひげ剃りを楽しそうにいじくったり、ヒゲが落ちてブルーになったりしているのを見かねたのか店員がついに話しかけてきた。

店員は口を開くや、
『どのような製品をお求めですか?』『今までドコのメーカーをお使いでしたか?』『ご予算はどのぐらいですか?』と質問責めだ。 きっと俺を泳がせておいて、捕まえる作戦だったに違いない。
とりあえず、俺の最低条件『水洗いできる』と言う点でかなり絞られた。 実は、思ったより『水洗い』をサポートしているメーカーは少ないんだな。

それにしても、この店員を正直侮っていた。 奴は第五希望どころか、第一希望のみの記入でここに配属された、ヒゲ剃りを愛してやまない猛者に違いない。 俺の発言の内容をとらえて的確に判断して返事する。 こうなっては、奴に全権を任せて判断を仰ぐことにする。
ついでに、かねてから疑問に思っていた、ヒゲに関する愚問もついでにぶつけて俺の疑問もかなり解決した。 彼をヒゲ専門コンサルタントとして雇えればとても頼もしいが、俺にはその甲斐性がないし、活躍も5年に一度ぐらいだろう。 許せヒゲ店員。

なお、彼のヒゲ剃り跡はこの夕方にも関わらず、見事に剃り上げられていた。 もみあげの剃り際もバッチリだ。 彼はひげ剃りコーナーの店員として、ヒゲを伸ばすのではなく、きれいに剃り上げる道を選んだのだろう。 君を誤解していたよ。 しかし、俺の手に積み上がったヒゲが君のだったら許さない!!

結局決定したのは”National の LINEAER SMOOTHER”って言うヒゲ剃りだ。

 新商品、水洗いOK、超高速リニア駆動、12,000ストローク/分、ヒゲ起こし新三枚刃!!

家に帰り早速使ってみる。
剃り味最高!

しかし、それよりも箱の中に入っていた、「鼻毛カッター」の方に俺様のハートはすでにゲットされている。

 「鼻毛はただカットすればいい物ではありません。 鼻毛の働きをそのままに、やさしくきれいにアーチカット」

なんて魅力的なコピーだ。 鼻毛はただカットすればいいと思っていた。 危ないところだったぜ。
水洗いタイプも有るそうな。 近々これも購入予定である。 さすがにこれはさほど種類は多くないと思うがどうであろうか。

-xxxx年xx月xx日