2001年4月30日(月) エレガントインド旅行(12):まさにカモ

 


シティ・パレスを見たところで、本日の観光は完了である。 このままホテルに帰るのかと思ったら、なにやら土産物ポイントがスケジュールに入っているようで案内される。

まず一店目は宝石店である。 Tも俺も宝石なんぞ土産に買うつもりはないのだが、ダーラムさんが、

 「スター・ルビーと言う宝石がありまース。 インドとか限られた地域でしか採れまセンヨォ。 見るだけ見てみたらどうですか? 連れて行く店は、国の保証のあるお店デースヨォ」

と言うので、見るだけ見に行く事に。

車でピンクシティに戻り、そのまま我らのホテルを通過してしばらく言ったところにそのSilver & Art Placeと言う店があった。
店にはいると、初老のインド人が出てくる。 ダーラムさんは俺たちを引き渡しどこかへ行ってしまった。 どうやらこの人はある程度日本語がしゃべれるらしく、ダーラムさんがいなくても説明に不自由はないようである。
早速小部屋につれられ、スター・ルビーやら猫目石やらの説明やらを開始する。 うーむ、確かに綺麗である。 宝石の中央付近に浮かび上がった光の筋が、交差する6本の筋に見えるのだ。 こんなの初めて見た。

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その他の宝石等も見せてを程良い頃合いになると、

 「君たちには特別にXX円にしてあげよう」

と言う事を言ってきた。『来たな』と思いながら、「いや、見に来ただけだから」と言うことをつたえると、

 「スター・ルビーはインドでしか採れない」
「日本で買うと数倍の値段だ」
「羽賀研二他、日本の有名人も買いに来た」(写真を見せられる)
「じゃあこの値段でどうだ?」

と必死に、売り込んでくる。 羽賀研二が梅宮アンナのために買った等、今となっては失笑もので、逆効果と思われるが。 『確かに宝石は美しいが買う必要がないのでなぁ』と思っていると、知らぬうちにTが買う気満々になっており、「俺は買うぞ」と言ってきた。 それを察知したインド人は、

証明書とスター・ルビー

証明書とスター・ルビー

 「じゃあ二つで70000円にしてあげる。これ以上はまからない」

と俺様も逃さずにゲットしようと必死である。 しばらく悩んだ末、記念に購入することにした。 なんか型にはめられた感じではあるが、一応納得して買ったので良しとしするかな。
店員は奥に行き、ケースに入れたルビーと証明書を二組を携えて戻ってくると、『この本物だと言う証明書もちゃんとつけます』と説明した後、二つをシャッフルして「はい」と、おどけてTと俺の前に差し出したので、渡された方を受けとり、ちょうど戻ってきたダーラムさんと店を後にする。


次の店は、布を扱っている店である。 インド綿で出来ている物を初め、サリーなど洋服を扱っている。
見た感じ完全に外人相手の店であり、これまた日本語の話せる店員が我々二人にマークして、少しでも多く金を落とさせようとつきっきりで解説するのである。

最初に店の外で、インド綿の特徴を説明したり、実際に柄の染め方を実演したりしたのち、店に入る。
店にはいると、さっきの方法で染めたハンカチ、キッチンマットのコーナーに案内される。 とりあえずこれらをいかほどか買うことに。 しかし、ハンカチは1枚$5で、キッチンマットは1枚$7で、あんまりお安くないな。 ユニクロだったら5枚は買えるぞ。 しかし、当たり障り無いおみやげではある。 10枚買うと1枚おまけするとのことなので、10枚ずつ買っておく。
そのほかシルク製品や何やらを見せられ、Tは旅行の後に田舎に帰るので、親戚関係への土産にと適度に購入。 俺はいらない。 確かに綺麗なんだが、使い道がない。

周りを見渡すとサリーも売っていいる。 「サリーは女の服だが、男物の服って何?」と聞いてみると、クルタ・パジャマと言うのがそうらしい。
旅行に来る前から、『現地でインドの服を一式そろえてみたい』と思っていたので、それを見せて貰う。 ・・・しかし、サリーに比べてなんと手抜きな作りだろう。 特にズボンなんかスゲーいい加減な作りである。
しかしTは興味津々。 だが、Tもズボンはいらぬと判断したらしく、上だけ買おうと試みているうちに、自然に値下げ交渉となっていたようで、値が下がったので上下あわせて購入。
そして、俺の方を向き、

 「あなたはどれにする?」

と言う事を言ってきた。『来たな』と思いながら、「いや、俺はいらない」と言うことをつたえると、必死にクルタパジャマのすばらしさを売り込んできた。 でもいらないと言っていると、Tが離れているのを確認してから、

 「買ってくれたらあなただけハンカチを一枚サービスします」

と小声で言ってきた。
でもいらないと言っていると、「じゃあ、友達にも一枚サービスしますよ」と言ってきたが、やっぱりいらないのでいらないと言うと、あきらめたのかTの方に歩いていった。

やっと自由になったので、店の他のものをいろいろ眺めていると、再び店員が戻って来た。 「今度は何だ?」と思っていると、

 「あなたの友達は、サービス分のハンカチを一枚選んだ。 なのでクルタパジャマを買ってください。」

と買いって来た。 Tを見ると確かに嬉しそうにハンカチを1枚持っているのである。 「しるか!」と思いながらも、めんどくさくなってきた事もあり、元々買おうとも思っていたことだし、諦めて買う事にする。 何通りかあるクルタパジャマの柄を選び、俺分のサービスのハンカチ1枚を選び店員に渡す。
Tの所に行き、「そのハンカチはなんだ?」と聞くと、

 「いや、なんかしらんのだけど、あの店員が1枚くれるって言うから。 もうけたよ」

とか言っているので、説明するのも面倒なので、「よかったね。おめでとう。」と言っておく。

そんなに欲しくてしょうがなかったわけではないが、 インド人の言いなりにならず、こちらの言い分が通ったので気分の良い一品

そんなに欲しくてしょうがなかったわけではないが、
インド人の言いなりにならず、こちらの言い分が通ったので気分の良い一品

その後は、各々小物を物色する。
俺様は特に欲しい物は無かったのだが、会計時にレジの周りに展示されている謎の壁掛けに惹かれる。 「それは売り物か?」と聞くと、それのコーナーはあっちにあると言うので、そっちで見てみるが、レジにある物ほど俺様の気に入る物はない。 なので、「レジのがいい」と言うと、いや、「こっちの方がいいでしょ」とか違う物を勧めてくるのである。
他のを勧めるのは、客寄せに一番良いのを展示しているからかどうか知らぬが、俺的に他のもので欲しいと思う物が無いのである
もうインド人の言いなりはイヤなので、あくまでも

 「そっちをよこせ、じゃなきゃいらない」

と言い続けると、店員は諦めたのか展示している物を譲ることに了承する。
これ以外のもを売りたいようだが、売れないよりはマシらしいな。

買い物を終わると本日のスケジュール完了。 ホテルに向かうべく車にのる。
車に乗るとき外に出たら、先ほどの店員はすでに次の獲物の担当となって、インド綿の染め方の実演をしていた。