カフラー王のピラミッド
ピラミッドを出ると、三大ピラミッドが一望出来るパノラマポイントに向かう。
途中、カフラー王のピラミッドの近くを通る。 上部の方をみると確かに化粧板で覆われている。 あれが全体に施されていたのなら、制作当時はさぞかし美しい様相を呈していたに違いない。
パノラマポイントに到着。
遠目に三大ピラミッドが見える。 でもピラミッドが小さくて、あんまり面白くなかった。
次にスフィンクスが有る所に向かうのだが、希望するならラクダに乗ってそこまで移動する事にしてもいいとか。
パノラマポイントにはそれを生業としているラクダ使いが沢山いる。
ただし、金額は一人$20と高め。 つか、相当高いと言える。 そのため財布を忘れたTは渋るが、俺は是非乗りたいのでお願いすることにした。
たぶん$20の中にはハッサンの手数料も含まれているのだろうと思う。でもこちらも納得した金額内で確実に手配してくれれば、どうやりくりしてくれても構わんだろう。
こういった時の交渉手腕次第で、どれだけ浮かすかがガイドの(自分のための)腕の見せ所に違いない。 その代わり揉め事でもあれば、ちゃんと交渉してくれるだろう。
なんか、途中まで連れて行って、「ここからは別料金だ」とか言い出して、払わないと砂漠に置き去りにする被害にあった話しとかなんかで読んだこと有るし。
ラクダのミッキー
ミッキーとは洋風な名前であるな
ハッサンはいつも利用するラクダ使いがいるらしく、そのラクダ使いを手配すると、車で先にスフィンクスにむかった。 我ら3人とラクダ使い1人は、3匹のラクダで向かう。
ラクダの背は結構高い。途中他のラクダも見かけたが、俺達のラクダは特にでかかった。
ついでなのでよく観察してみる。 ラクダは砂地を歩くため、馬と違って蹄ではなく肉球の様に柔らかいらしい。 みると確かにそんな感じであるが、触ろうとしたらラクダのミッキーに睨まれたのでやめておいた。
背中に乗るとラクダはまず、後ろ足を伸ばす。 グイーンと前のめりになるので、下手すると落ちる。
なんとか踏みとどまってホッとしていると、今度は前足を伸ばすので、今度は後ろ向きにあおられるので、下手すると落ちる。。
この二段階による攻撃で落ちる人は結構いるらしい。 要注意である。
ラクダに揺られて砂漠を歩く。 結構ゆれるが、のどかでよろしい。
三大ピラミッドもパノラマポイントの時より近くて良い眺めである。
三大ピラミッド
ラクダ使いは、しばらく歩くと、ラクダを走らせることにしたらしい。
俺の乗っているラクダにのっかり、ラクダを走らせ始めた。 繋がれた2匹も一緒に走り出す。
よりによって俺の乗っているラクダにラクダ使いが乗ったため、かなり窮屈である。 しかし、結構ゆれるが走るのも楽しい。
でも、Tは揺れにより気持ち悪くなったらしく、
「胃腸が・・・、胃腸が揺れて。 内蔵が・・・。 まだ着かないのか。 おちる。 おちるぅ~」
と一人で騒いでいた。
Tにとってこの出来事は、「高額で苦痛を買った」と言う扱いとなってしまったようで、後々まで(日本に帰っても)ブツブツ言っているのである。
しばらく走ると、スフィンクスの近くに到着したらしくそこでおろされる。 まだハッサンは来ていないようだ。
すると、ラクダ使いが俺の方に寄ってきて、
「チップをよこせ」
と言ってきた。 おかしい、ハッサンは$20でラクダ使いに渡すチップ分も含めてあるので、(もちろんあげたければ構わないが)チップを渡す必要はないと言っていたのだ。
しかも要求してくるのは、現地のLEではなく、ドルで1人につき$2である。
まだ相場が良くわからないが、1人$2だと全部で$6、LEに換算するとLE26にもなってしまう。 さすがにそれは取りすぎに思える。 それに自分から金額を言うのも図々しく変だ。
まぁその程度の金額は日本の感覚なら全然払えるのだが、後の日本人が侮られるので不当なものなら支払いたくないのである。
ハッサンもまだ来ないし、ラクダ使いの『当然の事だ』といわんばかりの堂々とした態度に、そんなもんなのかと言う気持ちもあり、仕方なしに渡してしまった。 でも、1人頭$1にしたのだが。
それにしても、楽しかった気分台無しである。
Tは最初から楽しがってないので、よりつまらなそうな顔をしていた。
Nもつまらなそうな顔をしているが、ラクダで走っている途中に、首に巻いていたバンダナが飛んでいったらしく、それを悲しんでるだけかもしれない。
しばらくするとハッサンがにこやかに登場。 しかし、我ら三人は憮然とした表情である。
するとラクダ使いはハッサンに近寄り、なにやら話している。 するとハッサンの眉が曇りだし、俺達に、
「ラクダ使いが、あなた達に$1づつ貰ったと言ってます。 これはあなた達が進んであげたのですか?」
と聞いてきた。 ラクダ使いは媚びるような顔をして俺の顔を見ている。 チャンス到来。
「違いますよ。 あの人が自分から要求してきたんです。 しかも一人あたり$2を。」
と、先生に告げ口する学級委員長のように、ここぞとばかりに説明する。
それを聞たハッサン、ラクダ使いに大いに怒る! ラクダ使いタジタジである。
そしてハッサンはラクダ使いからチップをむしり取り、俺達に返してくれた。
その後、スフィンクスに向かう間も、ハッサンはプリプリしていた。
それにしても、あのラクダ使いはいつも利用しているラクダ使いではなかったのだろうか?
今まではトラブル無かったのか気になる所だが、話しを聞くと、本当はあのラクダ使いの父親を雇っていたそうである。 しかし、今日は休みなので息子の奴を雇ったらしい。
「もう二度とあのラクダ使いは使わない!」
と、怒っていた。
それにしても、ラクダ使いは正直に言わずに、こっそりしまって置けば良いのになんでハッサンに報告したのだろうか。 と疑問に思い聞いてみると、
「それが後でバレると、二度と雇って貰えなくなるので、あななたちが進んでくれたと言う事にしたんですよ。
彼にはチップ分も含めてちゃんと渡してあるんです。」
との事だ。 どちらにしろ、彼はハッサンには二度と雇って貰えない。 自業自得である。
まさにエジプトのことわざ、「嘘つきラクダ使いは職を失う」(*注1)である。
しかしまぁ、試しに言ってみたら沢山取れるのかもしれないのだから、
「多めに言うだけ言ってみて、貰えれば儲け」
と思っているのだろうな。 $2なんて、向こうにしたら結構いい金額だし。
まぁ、またラクダに乗るというこの旅の目標の一つを達成だ。 順調である。
—
(*注1)「嘘つきラクダ使いは職を失う」
俺がエジプトにいる間に創ったエジプトのことわざ。
—
4月 29 2002
2002年04月29日(月) エジプト旅行(第四回):嘘つきラクダ使いは職を失う
カフラー王のピラミッド
ピラミッドを出ると、三大ピラミッドが一望出来るパノラマポイントに向かう。
途中、カフラー王のピラミッドの近くを通る。 上部の方をみると確かに化粧板で覆われている。 あれが全体に施されていたのなら、制作当時はさぞかし美しい様相を呈していたに違いない。
パノラマポイントに到着。
遠目に三大ピラミッドが見える。 でもピラミッドが小さくて、あんまり面白くなかった。
次にスフィンクスが有る所に向かうのだが、希望するならラクダに乗ってそこまで移動する事にしてもいいとか。
パノラマポイントにはそれを生業としているラクダ使いが沢山いる。
ただし、金額は一人$20と高め。 つか、相当高いと言える。 そのため財布を忘れたTは渋るが、俺は是非乗りたいのでお願いすることにした。
たぶん$20の中にはハッサンの手数料も含まれているのだろうと思う。でもこちらも納得した金額内で確実に手配してくれれば、どうやりくりしてくれても構わんだろう。
こういった時の交渉手腕次第で、どれだけ浮かすかがガイドの(自分のための)腕の見せ所に違いない。 その代わり揉め事でもあれば、ちゃんと交渉してくれるだろう。
なんか、途中まで連れて行って、「ここからは別料金だ」とか言い出して、払わないと砂漠に置き去りにする被害にあった話しとかなんかで読んだこと有るし。
ラクダのミッキー
ミッキーとは洋風な名前であるな
ハッサンはいつも利用するラクダ使いがいるらしく、そのラクダ使いを手配すると、車で先にスフィンクスにむかった。 我ら3人とラクダ使い1人は、3匹のラクダで向かう。
ラクダの背は結構高い。途中他のラクダも見かけたが、俺達のラクダは特にでかかった。
ついでなのでよく観察してみる。 ラクダは砂地を歩くため、馬と違って蹄ではなく肉球の様に柔らかいらしい。 みると確かにそんな感じであるが、触ろうとしたらラクダのミッキーに睨まれたのでやめておいた。
背中に乗るとラクダはまず、後ろ足を伸ばす。 グイーンと前のめりになるので、下手すると落ちる。
なんとか踏みとどまってホッとしていると、今度は前足を伸ばすので、今度は後ろ向きにあおられるので、下手すると落ちる。。
この二段階による攻撃で落ちる人は結構いるらしい。 要注意である。
ラクダに揺られて砂漠を歩く。 結構ゆれるが、のどかでよろしい。
三大ピラミッドもパノラマポイントの時より近くて良い眺めである。
三大ピラミッド
ラクダ使いは、しばらく歩くと、ラクダを走らせることにしたらしい。
俺の乗っているラクダにのっかり、ラクダを走らせ始めた。 繋がれた2匹も一緒に走り出す。
よりによって俺の乗っているラクダにラクダ使いが乗ったため、かなり窮屈である。 しかし、結構ゆれるが走るのも楽しい。
でも、Tは揺れにより気持ち悪くなったらしく、
「胃腸が・・・、胃腸が揺れて。 内蔵が・・・。 まだ着かないのか。 おちる。 おちるぅ~」
と一人で騒いでいた。
Tにとってこの出来事は、「高額で苦痛を買った」と言う扱いとなってしまったようで、後々まで(日本に帰っても)ブツブツ言っているのである。
しばらく走ると、スフィンクスの近くに到着したらしくそこでおろされる。 まだハッサンは来ていないようだ。
すると、ラクダ使いが俺の方に寄ってきて、
「チップをよこせ」
と言ってきた。 おかしい、ハッサンは$20でラクダ使いに渡すチップ分も含めてあるので、(もちろんあげたければ構わないが)チップを渡す必要はないと言っていたのだ。
しかも要求してくるのは、現地のLEではなく、ドルで1人につき$2である。
まだ相場が良くわからないが、1人$2だと全部で$6、LEに換算するとLE26にもなってしまう。 さすがにそれは取りすぎに思える。 それに自分から金額を言うのも図々しく変だ。
まぁその程度の金額は日本の感覚なら全然払えるのだが、後の日本人が侮られるので不当なものなら支払いたくないのである。
ハッサンもまだ来ないし、ラクダ使いの『当然の事だ』といわんばかりの堂々とした態度に、そんなもんなのかと言う気持ちもあり、仕方なしに渡してしまった。 でも、1人頭$1にしたのだが。
それにしても、楽しかった気分台無しである。
Tは最初から楽しがってないので、よりつまらなそうな顔をしていた。
Nもつまらなそうな顔をしているが、ラクダで走っている途中に、首に巻いていたバンダナが飛んでいったらしく、それを悲しんでるだけかもしれない。
しばらくするとハッサンがにこやかに登場。 しかし、我ら三人は憮然とした表情である。
するとラクダ使いはハッサンに近寄り、なにやら話している。 するとハッサンの眉が曇りだし、俺達に、
「ラクダ使いが、あなた達に$1づつ貰ったと言ってます。 これはあなた達が進んであげたのですか?」
と聞いてきた。 ラクダ使いは媚びるような顔をして俺の顔を見ている。 チャンス到来。
「違いますよ。 あの人が自分から要求してきたんです。 しかも一人あたり$2を。」
と、先生に告げ口する学級委員長のように、ここぞとばかりに説明する。
それを聞たハッサン、ラクダ使いに大いに怒る! ラクダ使いタジタジである。
そしてハッサンはラクダ使いからチップをむしり取り、俺達に返してくれた。
その後、スフィンクスに向かう間も、ハッサンはプリプリしていた。
それにしても、あのラクダ使いはいつも利用しているラクダ使いではなかったのだろうか?
今まではトラブル無かったのか気になる所だが、話しを聞くと、本当はあのラクダ使いの父親を雇っていたそうである。 しかし、今日は休みなので息子の奴を雇ったらしい。
「もう二度とあのラクダ使いは使わない!」
と、怒っていた。
それにしても、ラクダ使いは正直に言わずに、こっそりしまって置けば良いのになんでハッサンに報告したのだろうか。 と疑問に思い聞いてみると、
「それが後でバレると、二度と雇って貰えなくなるので、あななたちが進んでくれたと言う事にしたんですよ。
彼にはチップ分も含めてちゃんと渡してあるんです。」
との事だ。 どちらにしろ、彼はハッサンには二度と雇って貰えない。 自業自得である。
まさにエジプトのことわざ、「嘘つきラクダ使いは職を失う」(*注1)である。
しかしまぁ、試しに言ってみたら沢山取れるのかもしれないのだから、
「多めに言うだけ言ってみて、貰えれば儲け」
と思っているのだろうな。 $2なんて、向こうにしたら結構いい金額だし。
まぁ、またラクダに乗るというこの旅の目標の一つを達成だ。 順調である。
—
(*注1)「嘘つきラクダ使いは職を失う」
俺がエジプトにいる間に創ったエジプトのことわざ。
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By 俺様 • 2002年 トレンディエジプト旅行 • 0