K(その2) | 俺様について

 

Kが終電を逃し、深夜にタクシーで家に向かっていると、運転手が

 「死んで何年になるの?」

と聞いてきたそうだ。 死んでないし、なんて答えていいのかわからず、怖いのでその後ずっと黙っていたそうだ。

 「後々考えると、『住んで何年になるの』と言っていたに違いない」

とKは自分を励ましていた。