3月 16 2007
2007年3月15日(木)
現在の仕事は、「俺の会社+直接の客さん(日本の会社)」で装置を開発し、「更にお客さん」(韓国の工場)への設置、納品に来ている。
Kムさんは俺の「直接のお客さん」の韓国支店の人で、韓国人だが日本語がかなりできるので、「更にお客さん」への窓口となっており、我々との通訳も兼ねている。
これまでに一通りの設置が完了。今日は「更にお客さん」へ動作を見せる予定となっており、朝から準備を整える。
そして、予定通り「更にお客さん」の前でテストを行ったところ、どこかの問題などではなく、使用を続けることで極まれに発生する現象に遭遇し、マシンが停止。するとKムさんこちらを振り向き、
「んもう~、よりによってぇ~~~」
と、つぶやいたので、こっちサイドのみんな脱力。何とも力の抜ける言い方であった。
とっさのつぶやきに「んもう~」とか出るんだな。もう日本語完璧じゃないんだろうか。
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今日の作業が終わり工場から出るために受付へいく。
受付の女性に工場に入る時に使うカードを渡したところ、
「ケースヨ! ケースヨ!」
と、いきなり大声で怒鳴られた。
何の事か解らず「は???」と動揺してたところ、その受付嬢は激怒して凄い勢いでにらみつけ、テーブル乗り越えて飛びからんばかりの勢いであり、他の受付嬢がびっくりして割って入ってなだめている。
何かと思ったら、毎日ここで入場カードとケースのセットを返すのだが、今日は間違ってカードのみを渡してしまったので、ケースも返すようにと言っていたらしいのだが、そんなに激怒されるとは正直驚愕。
恐る恐るケースを差し出すと、それを引ったくったまま、まだ顔を真っ赤にして睨み続けており、帰って良いんだかわからず立ちつくしていると、隣の受付嬢達が「大丈夫だから行ってください。」と言うので、ソロリソロリと退却。
間違ってケースを渡し損ねただけでこんなに怒られるとは、これも文化の違いなんだろうか?
外で待っていた他のメンバーに今のことを話すと、「右端の人でしょ?」と言われる。正解であるがなんで解ったのかと聞くと、
この工場に常駐している「直接お客さん」会社の人は、どんなに混んでいても、あの受付嬢だけは避ける様にしているぐらい怖い人らしい。
T部長も、一昨日あの受付嬢には既になんか怒られたらしく、怖いのでそれ以来毎日避けているとか。
文化の違いっつーか、単にあの受付嬢がそう言う人で有るだけっぽいな。
それにしてもビックリした。
そういや、こちらに来て以来、韓国人の対応はとても親切で優しく忘れていたのだが、今回韓国に来るまでは、日本人と知られたら、全員この受付嬢の並のバトルモードかと思っていたなぁ。
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草薙剛が「チョナンカン」である様に、俺の漢字のハングル読みを調べてみたかったので、先日Kムさんに聞いたのだが、
「日本語読みをハングルにするだけですよ。当たり前じゃないですか。」
と言われたので、「チョナンカン」の事を言うとややこしくなるので、「例えば俺が中国に行ったら、日本の漢字の中国読みで名乗るんだけど」と言ったら、
「そりゃ、中国がおかしいですヨー。何で名前が変わっちゃうんですか。変ですよソレー。」
と言われていた。確かに、日本、韓国、中国は漢字を共有しているのでこのような事が起こるが、非漢字圏の名前をわざわざ自国語に翻訳するのは変である。そういや日本でもちょっと前は、中国人や韓国人の名前を日本語読みしていたが、最近はその国の発音で読むように成ってきたよな。
とりあえず、それでも良いから教えてと食い下がってみたところ、既に韓国人はあまり漢字を使わず、Kムさんは辞書無しでは漢字の読み方が解らないと言われていた。
本日ホテルのロビーで人を待っていたところ、まさに韓国の漢字辞典がおいてあったので調べてみる。
しかし、この漢字辞典は調べ方が難しい。画数や、偏でソートされているわけではなく、何順に並んでいるのか全く解らない。フロントの人に聞いてみても、その人もかなり苦戦している。
何順で並んでいるのか聞いたのだが、「グレード順」と言われたのだが、グレードが何なんだかは全く解らない。結局頭から総なめで探していくしか手は無い感じである。
たった四漢字なのだが結構な時間をかけてようやく調査が完了。声に出してみると、漢字を日本での音読みしたのと近い音になった。
また、辞書には漢字自体の意味も載っており、それによると俺の名字は「永遠にかぐわしい」的な意味合いになって、「素敵な名字ですよ」と言われた。一応日本語でも漢字の解釈をすると同じだな。漢字は中国から意味もセットで来てるから当たり前かもしれない。
ただ、当然ながら読み方が解ってハングルに置き換えた地点で、その意味は見えなくなってしまうのが残念だ(ハングルは文字は音だけで、文字自体に意味がない)。
ちなみにフロントの人も、人名に関してはわざわざ漢字をハングル読みするのは変で、日本語で読んだ音をハングル表記に当てはめるのが普通だと言っていた。
草薙剛の「チョナンカン」という読みは、ネイティブ韓国人と言う体の企画なんだろう。しかし、「薙」なんて漢字は韓国にあるんだろうか?
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そんな事をやっていたら、なんかガマガエルみたいなおっさんが、なんかしらんがあたりをジロジロにらみながらうろうろしだした。俺とかT部長と目があっても無言でジーッと見ている。なんか異様に態度が悪いと言うか、気持ちが悪い。
その後フロントの人にFAXを送るように依頼したようだが、遣り取りを聞くと日本語でしゃべっている様なので、日本人だったようだ。一緒にされたくねぇ。
その後、フロントの男性としばらくFAXの所に行っていたかと思うと、フロントに戻ってきて猛烈に騒ぎ出した。言語は日本語であるのだが、ネイティブ日本人の俺でも聞き取りづらい汚いしゃべり方であり、片言の英語も混ぜようとせず、ジェスチャーも交えてない。一方的にゲロゲロと叫んでいるのである。
フロントの人も少しは日本語を解するのだが、とても理解出来ない様子で、困り果てて俺の方に助けを求めて来たので、改めてガマガエルがなにをほざいているのか聞いてみると、
「さっきフロントの人にFAXを頼んだが、送信内容をセットする前にダイヤルを押してる。それでは送れる訳がないだろうが!」
とか言っている。
別に、FAXなんて先にダイヤルが先か後かなんて別に決まってない物が多い、と教えてやったのだが、納得しない。そんな物はそのFAXの仕様なんだから、いつも使っているフロントに任せたんなら、黙って見てりゃいいのだが、どうしても気に入らないと騒いでいるのである。実際届かなかったのかどうか聞いてみたのだが、「送れている訳がない」と言うだけで、確認はしてない様子。
そして、
「このホテルは質が悪い! 言っている事が全然通じない! 最低のホテルだ!」
とか言っており、そりゃお前の言語は日本人にもなかなか通じないので、ホテルのせいではない。それに別にこのホテルは日本語OKと言っている訳ではないのだし、それが通じないと言うだけでこの言い方は無いだろうに。
つうか、なんかしらんがこのガマガエルは俺にまで命令口調であり、こいつ自分は何様だと思っているのだろうか。
面倒くさいので、奴の用紙をひったくり、セットしようとしたら、
「どちらの面を上にするかもわからねーんだよ!」
とかまた耳元でガナりやがる。それは単にお前が無知であり、聞こうともしないからであるのだが「このタイプなら送信面は下でしょう」と言ってセットしようとしたが、「そんなことわからんだろう!」とうるさいので、一応フロントに確認。 フロントの女性が来て、当然送信面を下にセット。 その後ダイヤルして、そいつの家の留守電が流れ、FAXを送信の場合どうとかメッセージが日本語で流れるのだが、その間、
「しっ! 黙れ! メッセージが聞こえん! まだだ!まだ送信を押すな! まだだと言っているだろう。 今だ! 今だって言ってるだろう! 早く押せ!」
と、自分は何も出来ないくせに異常にうるさい。
やつは「留守電の応答メッセージが日本語の為フロントの人に理解できないからタイミングを教えているつもり」かもしれんが、だったら「テメェの喋っているのも日本語だから理解できない」と言う事が解ってないんだろうな。つか、いまだに日本語が通じてないと言う事が解ってねぇんじゃねぇのか?
取り合えず、カエルの後ろで俺からフロントの人にサインを送り、FAXは送信完了。
その後、ガマカエルはまだ文句を言い足りないようで、「さっきは先にダイヤルして…」とまたリピートしだして、うるさいので、それはともかく今回は満足か?と聞いたら、ブツブツ言いながら去っていった。
つか、俺はホテルの人間ではなく、手伝ってやったんだから、礼の一つも言っていいと思うが。
はっきり言って、このガマガエルはどこの国の人とか関係なくダメな人な訳だが、外国に来ている以上、現地の人には、まず日本人という括りで相手に見られるだろうな。
こういう人にたまたま遭遇し、他の日本人をよくしらない人の場合は、「日本人は感じ悪い」と思ってしまうんだろう。こういう事は避けられまい。他の人の良い行動で相殺して平均点を上げたいところである。
取り敢えず、
「あのガマガエルは変。あんなのは日本にも滅多にいない。たぶん田んぼに行けばいる。」
と伝えておく。
つか、あのガマガエルは日本でもあの調子で生活できているのか? それが謎だ。
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3月 17 2007
2007年3月17日(土)
宗廟
「昌徳宮」入れず
本日は日本への移動のみ。
飛行機の便は、朝早くの物と、夕方の2便があり、みんな朝早い便で帰ってしまったのだが、俺はせっかくなので遅い便にして韓国を観光。
まずは金浦空港に行き荷物を預け、地下鉄にてソウルへ向かう。
思ったより時間がないので、世界遺産にターゲットを絞り、まずは宗廟へゴー。
ここは、李朝歴代の王と王妃などが祭られている。ただ、韓国の歴史に疎いため、イマイチピンと来ないまま境内をウロウロ。
次は、これまた世界遺産、昌徳宮へ行ってみる。
しかし、ここは勝手に歩く事ができず、ガイド付きでないとダメらしい。日本語の時間は16:30からで、始まる時間は丁度良いのだが、正味1.5時間ぐらいかかるらしく、飛行機に間に合わなくなるので断念。
あとわずかの時間は、東大門市場へ行く事に。タクシーに乗ったのだが、道が渋滞しており予想以上の時間がかかり、付いた頃には直ぐ空港に向かわなければ間に合わない時間となっていた。
駅を探すついでに、辺りを色々うかがったものの、時間が悪いのか、見るべきポイントがズレているのか不明だが、全体に廃れていた感じで残念。
また今度改めて来る事にして、慌てて空港へ向かう。
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夜には日本の自宅に到着。
早い。羽田空港から飛行機が出ていると言うのも大きいが、下手な国内旅行より移動時間が短い。
振り返るに、韓国ではやはりハングルのみで、英語での表記がない所が多く難儀した。
地名など耳で聞いていて口に出せても、ハングルで書かれていたら目の前にその文字があっても気づけない。電車などでも目指す駅なんだかどうなんだか解らず、文字数とかで判断してたりしたもんな。
ただ、帰国後に家まで比較するつもりで眺めてみると、日本も結構英語表記は少ないんだなぁ。こりゃ、日本も漢字圏以外の人には、中々に面倒な国な気がしてきた。
しかし、韓国もほとんど漢字が読めないので、日本語なんて取っつきにくい筈なのだが、あんなに日本語達者が多いというのは驚きであるな。やはり文法の近さの方が、文字の問題より大きいもんなのかもしれない。
あと今回の出張で、韓国苦手意識も全くもって収まってよかった。
これなら、単に旅行に行くにしても問題ないし、むしろ興味が出てきた。
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By 俺様 • 2007年 韓国出張 • 0