2010年11月20日(土)

 

随分前から尻に違和感があり、心を決めて本日病院へ。想像していた通りの結果を言い渡される。
悲しいけどこれ、痔瘻(じろう)なのよね。

巷で良く言われるのは、痔の種類をドラクエで表現すると、

・切れ痔(裂肛) →メラ
・イボ痔(痔核) →メラミ
・痔瘻  →メラゾーマ

である。痔の種類を理解すると、痔瘻はチョット魔法の系統が違う気がする(痔瘻はイオ系ではないかと思う)のだが、痔の素人に説明するのにとても解りやすいので、俺も採用したい。

俺は随分前からメラ使いだったのだが、この所影を潜めていた。しかし、5月頃に肛門の横にオデキの様な物が出来ており、寝ぼけて引っ掻いて激痛で目が覚めたのが今回の始まりである。
最初は単なるオデキか?と考えていたいたのだが、痛みのレベル的に尋常ではなく、異質な物を感じていた。痛みを堪えてギューっと押すと膿らしきものが尻の内側に出て、その分オデキは引っ込み痛みは軽減されるのだが、また暫くすると腫れて痛みも増すという繰り返しである。この症状と、俺の広大なる知識体系を駆使して、こいつは痔瘻かもしれないと疑っていた。

痔瘻の恐ろしさは、臀部にトンネルが出来て肛門の他に尻に穴があく所だ。しかも、それがありの巣のように分裂して幾つものシリアナが誕生してしまうのである。尻の穴は1人1つと言う、人間の定義を簡単に越えててしまうのだ。李書文に打たれたら、七穴噴血どころではない大惨事である。また、切れ痔、イボ痔と異なり、「手術無しでは絶対治らない!」というのが、すこぶる嫌なポイントである。

そこで俺は暫くは、「…今のはメラゾーマでは無い… メラだ…」

20101120

と自分を偽ってこれまで生きてきた。俺の痔瘻ポイントは肛門の近くにあって割れ目の中でも奥深く、座る際に接地しずらく痛みも少なかったからである。
しかし、段々いぼがでかくなって来て痛みが増し、この前うっかりきの小いすに座ってクリティカルヒットし、部屋で1人悶絶と言う苦しみを味わい、現実から目を逸らしきれなくなった。
こっちとしてはエライ告知に有った気分であるが、医者は「痔瘻だね」と簡単に言ってくれちゃったりする。
入院も必要だというのにヤケに軽いなコノヤロウと思ったところ、最近はシートン法という新手の手術があり、日帰り手術が可能なんだとか。
シートン法は古くインドに伝わっていたとされる伝説上の痔瘻手術法である。近年伝書を元に現代に蘇ったというロマンチックが止まらない経緯があり、その手の話が大好物な俺にはタマラン物がある。(話を聞くだけなら)
通常の痔瘻手術はくりぬき法と言ってトンネル部分をくりぬくのだが、シートン法はトンネル部分にゴムを通して肛門からだして輪っかにして結ぶ。このゴムの収縮力で数日かけてジワジワと肛門に向かって切りすすみ、それと同時に自己回復力により傷を回復していくのだ。なんか、ウルトラC技で、肛門がでかいまま戻らなくなってしまうのではないかと不安だが、現在では広く行われていると言う。
シートン法なんて言うと、動物を使う連想をしてしまい、『もしや穴にゴムを通す方法から来てるのかもしれん。とんち話で曲がりくねった竹の筒に紐を通す方法で、筒の先に砂糖を置いて、紐を付けた蟻を逆側から歩かせるという話があったが、アレを想定しているのか?』と思ったが、動物ではなく昆虫なので、これでは、ファーブル法に成ってしまうから違いますかな。

う~む、痔瘻かよ。何にせよ、入院も難しいので、このシートン法で行くことに決定。今週末に手術だ。

む?そう言えば、切れ痔やイボ痔と違って、痔瘻は有るのか無いのか。ドーナッツの穴の様な哲学的問題ではないか。
痔瘻め、色々悩ませてくれるぜ。