2005年8月18日(木) その2 ダムノン・サドゥアク水上マーケット | タイ旅行(24)

 

俺様専用小舟

俺様専用小舟

急に水上マーケットがスタート

急に水上マーケットがスタート

タイの水上マーケットというと、このダムノン・サドゥアクよりもっとバンコク近くの、ワット・サイに水上マーケットというのも存在する。

しかし、ワット・サイ水上マーケットは観光地化され、本来の機能を失ってしまったらしく、政府が新たにこのダムノン・サドゥアク水上マーケットを開発したらしい。
ワット・サイの方は地元の客など全くおらず、観光客を乗せた舟が近づくと、所在なさ気に漂っていた観光客向けの小舟が近づいて来るぐらいで、凄いガッカリすると言う話だ。

と言うことで、わざわざ遠くのダムノン・サドゥアク水上マーケットに来たわけなのだが、こんな時間ではこちらも負けずにガッカリできそうである。

舟乗り場はもう人気がないが、受付のおばさんに話を聞くとまだ舟は出して貰えるし、本当か嘘か水上マーケットも少しは開いていると言われ、1台チャーターする。
舟は水上マーケット一体を1時間位彷徨って戻ってくる予定で値段は350B。 到着した舟を見ると、これ8人は乗れるな。 何人乗っても代金は変わらないらしく、相変わらず一人旅は勿体ないと改めて感じるが、ココまで来て乗らないのも勿体ない。

舟はお婆さんの手こぎである。 俺が漕いでも良いのだが、俺の技術では多分この船着き場からも出られないだろうし、なんか申し訳ないがお婆さんだけが頼りだぜ。
船着き場を出て暫く進むが、他の小舟も店も全く見あたらない。 まぁ、こういう手こぎボートでゆったり彷徨うのも気持ちよい物である。

しかし、暫く進んで角を曲がると、途端に活気の溢れる場所に出た。
そこでは全開では無いが、店も開いており、他の小舟もそこかしこを浮かんでいる。 おぉ、これが水上マーケットか!

俺の想像していた水上マーケットは、メコン川ぐらい広い川のそこかしこに小舟が浮かんで、その小舟に商品が山積みされて、みな好きな所に漕ぎ進めると言うのを想像していた。
しかし、実際は、川の幅は10m位で、川も水路のように成って、いくつかに分岐したりなんだりしている。
店は、売り物を積んだ舟ももちろんあるが、川の両端の岸に小屋を建てて、川に向かって商品を陳列している店も沢山ある。
客の立場からすると、ホンキで買い物するなら、わざわざ川で買わず陸に上がった方が効率が良いんじゃないだろうかと思える。 ただ、店としては商品を運ぶのに舟は都合が良いのかもしれないが。
まぁ、観光客にとっては、この舟で買い物というのが、趣深いので結構な事である。

ただ、この時間だから舟は好き勝手に進むことが出来るが、ピーク時はどうなってしまうんだろう。 舟なんか進まない気がするんだが。

それにしても客をのせた舟は、必ず数人で乗っている。 一人で乗っているのは俺ぐらいだな。
気品溢れる男前の紳士が一人きりで貸切舟に乗っているこの姿は、回りからはどう映っただろうか。 なんか特別扱いのエリートと思われたに違いない。

店を眺めていると、カエルの彫り物発見。 俺は日本にカエルので、お土産はここで購入するのはやぶさかではない。
とりあえず、最初の店に舟を寄せてもらい、値段を聞くと100Bと言われた。 …むぅ、高いぜ。 現在タイの北からココまでのカエル相場に一番詳しい自信があるこの俺をなめちゃいかんぜ。
そこで、複数買うことも含めて値段交渉を行い、1つ45Bで落ち着く。 ただ、こんな所でそんなに沢山カエルを買う奴がいると思っていないのか、各店多くても5個ぐらいしか置いてない。
そこで、ちょっと進んではカエル買って、チョット進んでカエルを買ってと、カエル買い占めを行う。 そのうち、俺が各店を離れると、

「お~い、こっちにもカエル有るぞ~」

とお呼びが掛かる様になってしまった。
もちろん最初の店で45Bだったと言うと、どの店もその値段にしてくれたが、この俺の買い占め行動により、本日のカエル相場は急騰したかもしれんぜ。
この行動は、日本人はこのカエル好きと勘違いさせてしまったかもしれない。 今後、このマーケットに来た日本人は、カエルを勧めまくられたりしてな。

手こぎ舟の折り返し地点は、川の中央に建てられて、小島の様になっている大きめの土産物屋だ。 ここでは上陸して、好きなときに帰ってきていいとお婆さんに言われる。(お婆さんはタイ語しか喋れないので、雰囲気による翻訳。)

ここの土産物屋の青年は日本語を勉強中のようで、一生懸命日本語で話しかけくれた。
ただ、まだレベルは定型文の丸暗記に近くて、自分で文章を組み立てる事はまだ難しいようだ。 知っている単語も少ない。 その為、なかなか会話には成らないのが残念である。 そこで伝えたい事を英語で話してみたが、青年はむしろ英語は全く解さないようである。 お互いの言語レベルは、

英語 日本語 タイ語
×
青年 ×

と言う形である。

この状態は通じない言葉を切り替え会話になるかと思いきや、なかなか困難である事に気付く。 よく考えると接点は日本語のみ。 今までの旅行では英語△のみの人が多かったが、そっちの方がまだ会話が成り立った気がする。
それでも一生懸命接待してもらい、ココナッツジュースを2杯も頂いてしまった。

ここでもカエルが有ったので、値段を聞くとやはり100Bと高い。 そこら辺の店で買った値段を告げると、これはそこらの店で売っている物とはモノが違って、材質からして上質で、これ以上値が下げられない。 最初、土産物屋の常套句だと思ったのだが、本当に一向に値引き出来ない様子である。
俺は日本に帰って、あたりに適当にばらまくつもりであり、質は全く求めていない。 安くて小さくて量が多くなるのが希望である。
なので 「物が悪い物で良いから、安い物は無いか?」と言うことをジェスチャーを交えて聞こうと試みたのだが、これがどうやっても通じない。 店員の女性は、俺がなんて言っているかを青年に聞いているが、青年は解らず困っている様子。
なんかこの女性の気が強いらしく、「早く訳しなさいよ!」と言った感じで詰問されており、青年はタジタジであり気の毒である。

結局、単なる値引き交渉と受け取った、女性店員がイライラしだして、直接俺と身振りで交渉し出し、結局12個買えば1000Bにすると提示をされたが、ちょっと合意できなかった。

青年は、イライラ女性に役立たずのレッテルを貼られたようで、横でシュンと恐縮しており、非常にかわいそうである。
そこで変わりになんか他の土産物を、と思ったがどれも大きくて持って帰るに困難であり、申し訳ないが結局何も買わずに店を出ることに。 青年にココナッツジュースを二杯も頂いたのに、なんか面目を潰してしまったようで申し訳ないぜ。
青年は、「全然、気にしないでくださいね。」と言ってくれた。良い奴である。

その後、青年は俺の去り際になんか日本語で言おうと思ったらしいのだが、思い出せないらしく凄い悩んでいる様子だ。
俺の乗った舟が店を離れ暫くしたところで思い出したらしく、おーいと手を振り俺を呼び、

             飯を売っている小舟             麺類だった

飯を売っている小舟
麺類だった

「タイにまた来タイですか~?」

と叫んだ。

「おう! タイにまた来タイよ~」

と返事をしたところ、ダジャレを言ってしまった事に気がつく。 回りに日本語を理解できる人がいなくて良かった。

つか、彼はこれがダジャレに成っていると解っていて、言ったのかは謎だ。 まぁ、「タイに又来たいか」は、そんなに必死に確認したい事でも無いと思うので、ダジャレと解っていて日本人相手に最後に言っているんだろうな。
なかなか日本語の勉強頑張っているじゃないか。 次に来たときにはどのくらい上達しているか楽しみだが、それまでにイライラ女性にどれだけ責められるのか考えると気の毒である。

帰り道でも、数個カエルをゲットして、飯を売っている小舟で飯買ったり、果物売ってっている舟で果物、ドリアンやらマンゴスティンやら、ランブータンやらを勧められるままに買って、バクバク食いながら楽しんだ所で遊覧終了である。 マンゴスティンとかランブータンは初めて喰ったが美味いな。 ただ腐りやすいのか、いくつか腐っていたようだ。 だから輸出できずに日本ではお目に掛かられないのかもな。

舟を下りると、受付のおばさんは、俺の持っている大量のカエルを見て爆笑。
幾らで買ったか聞かれたので、1つだいたい45Bと言うとチョットビックリして、

「みんな、たいてい100Bで買ってるよ。あんた買い物上手だねぇ」

と感心されてしまった。 まぁ、タイ一番のカエル相場師にとしては当然の結果である。

他にも世間話をし、昨日はチェンマイにいたというと、「あそこは洪水で大変だっただろう?」と言われた。 昨日のチェンマイの水没ぶりは、タイでもニュースになっているらしい。 と言うことは、タイでも珍しい現象だったんだな。 こっちのスコールではよく起こることかと思っていたぜ。

このあとバンコクに戻ると話すと、おばさんは近くのバイクタクシーを呼よびよせて値段交渉までし、その上「この子をバス停まで乗せて、間違いなくバンコク行きのバスに乗せてあげなさい」と言い含めて送り出してくれた。

到着の遅れにより危ぶまれた水上マーケットではあるが、 とりあえず空いているので、のんびりユラユラ舟に揺られるのは心地よく、
それなりに満足できた。
ただ、店が半分ぐらいしか開いてなかったのと、開いている店も、観光客相手の土産物ばかりだったのは残念だった。 今度来る時は、活気のある時間に来て、本来の水上マーケットといったものを楽しみたいところだな。