2004年4月9日(金)

 

Aが夜遊びに来る。

Aは大学で同じ研究室だった男であるが、就職してから1年後に、

 「お笑い芸人になる!」

と言って会社を辞め、大阪に旅立っていった漢である。
Aは長野県出身で大阪で生活する事で本場の大阪弁を身につけようとしたらしいのだが、幾ら頑張ってもネィティブの大阪人には見抜かれてしまい、エセ大阪人と言うだけで、ネタの面白さを見てくれる状況にもならないらしい

 「これなら関東圏でのデビューを目指せば良かった。」

と言うのが正直な感想らしいな。

んで、10年近く経ったが残念ながら芽は出ること無く夢を断念した模様。
う~む、残念。 俺もAの参考になればと、漫才のシナリオとか書いて奴に渡すつもりだったのだがなぁ。

Aは現在は整体師だかマッサージ師だかになってそのまま大阪にいついてるのだが、この度関東圏に凄腕のカリスマ整体師だかマッサージ師が居るとの事で、その技を受けてみようと上京してきたらしい。
なんか、俺の周りは転職とか、なんかすると整体師とか、マッサージ師になる人が多いな。 あれってなりやすいのだろうか?

Aはこっちに居る間に習い事をしており、俺の後輩と言えるのだが、上記理由のためそれは取りやめて大阪へ行った。
んで、最近また大阪の方で同じような事を習い始めたので、見てくれと言うので見てやる事に。

・・・う~む、正直言って全然ダメだのう。
つかAの習っている所では原理を教えてくれないようで、やっている方が感覚で掴んでいくしかない様な教え方だ。 こんなもん、理屈で教えれば後は自分で考えながら練習できる事なんだが。 逆にそれを教えないのならマンツーマンでチェックしてやらなくてはなるまいに。

つうことで、一人でも練習出来るように根本的な理論を教えてやったところ、

 「理屈が解るとおもしれぇなぁ」

とか言って、ヤケに楽しんでいた。

他にも気が付いたところを色々注意していたところ、それら全て昔自分が注意されていた事だという事に気がつく。 さらにその教え方も自分が教えられた時とそっくりだった。
自分ではその時を思い出して真似をしているつもりもなかったのだが、マジにそっくりそのまんまだ。 そうかぁ~。 そうなるもんなんだなぁ。

それにしても、人に教えるって事は本当に自分の勉強になる。
自分の練習の時はどうしてもうまくいかず、保留にしたまま忘れていた事とか、教えるとなると曖昧にするわけにもいかず、実際やって見せてやらなくてはならないしな。 自分の出来もしない事をやれという訳にはいかぬわい。

 「人に教える事は自分の勉強になる」

とは良く言われる事だが、こりゃ本当だ。

あとで、Aの習っているところではどういう感じで習っているのかを聞いたが、自分の環境が非常に素晴らしい事が認識出来たのが収穫だった。
これは、頭では解っているつもりだったが、今まで余所の事は知らなかったがこれほどとは。

俺がそこで習っていたのは、本当に単に運がよかっただけだが、こいつはふんどしの締め直しが必要だ。