2001年4月30日(月) エレガントインド旅行(09):ジャイが造ったジャイプール

 

ジャイプール(Jaipur)

デリー、アーグラと共に、インド観光の”ゴールデントライアングル”を形成する一大観光都市。 砂漠の州ラジャスターンの州都で、人工は200万を超える。 ピンク・シティと呼ばれる旧市街、マハラジャの宮殿、街を囲む2つの要塞など、見所は多彩だ

途中、なんかホテルみたいなところで休憩する。 ダーラムさんは速攻でトイレに行ったきり、ウンコをしているらしくなかなか帰ってこない。
外でうろうろしていたが、しょうがないので先に建家の中に入ってみる。 おっかなびっくりおみやげ屋をのぞいたり、親子でダンスをのパフォーマンスをしているのを見たりしながら時間をつぶしていると、やっとダーラムさんが戻ってきたので席に座る。

一応ここでチャイを頼んでみたのだが、なんか普通のミルクティーだった気がする。

そしていよいよジャイプールに突入。 まず、アンベール城塞へ到着。
ここでは小高い山の上に要塞と宮殿が建っている。 そのため象にのって宮殿までの坂道を登るのが売りであり、俺たちもこれに乗る事になっている。
車を止めてチョット行くと象がウロウロしている。 ダーラムさんが手続きをしている間、象使いインド人が、

 「ほら、触らせてやるよ。 こっち来いよ。」

みたいな事を身振りを交えてしているのだが、なんかそれだけで金をせびられる自信があるので、遠慮しておく。
しばらくすると、ダーラムさんが戻ってきて、象に乗ってよしとのことなので、乗り込み写真をパチリ。 ダーラムさんは象には乗らず別ルートを車で行くらしい。 ガイドブックを見ると、片道400ルピーもするので、ガイドは乗らないものなのだろう。

象乗り場では、客は階段を上って高いところから乗り込むようになっている。

象の頭はハゲハゲなのには訳がある。

象の頭はハゲハゲなのには訳がある。

そこで待っていると、象使いが象に乗りながら横付けするので乗り込む。

象発進! 案の定ゆっくりゆっくり左右に揺れながら進む。 一歩一歩、『よいしょ、よいしょ』って感じだ。
昔は象も戦争に使われていたと言うが本当だろうか? こんなのでは荷物運び以外では役に立つとは思えぬのだがな。 本気を出すとすごいのかもしれぬが。

象使いがどのように象を操作しているのかと様子を伺うと、何やら謎な鉄棒を用いて、ひたすら象の頭を小突いている。 早い話、象が思い通りの事をし無いときはこの棒で、

 『違うんだコノヤロウ!』

とばかりに頭を小突くのだ。 象も、

 『んだよ、ハイハイ。 これでいーんすか?』

と渋々従うと言った感じで、大した技術など無い気がする。 なんか、象使いと象とは家族のようなつきあいで、以心伝心かと思ったのだが、どうも仕事だけの上辺だけのつきあいっぽいのだ。 ちなみにどの象も、頭を小突かれすぎてハゲハゲである。 象は神聖な動物では無かったのだろうか?

前方に見えるのが城塞。左側のギザギザは塀である。 どう見ても象の腰をより高い。 高いのだ! なのに何故その上に・・・?

前方に見えるのが城塞。左側のギザギザは塀である。
どう見ても象の腰をより高い。 高いのだ!
なのに何故その上に・・・?

俺様たちの前は日本人らしき4人組の乗った象が先行し、俺様達はその後ろをついていく形だ。
象は4人乗りである。 俺様達は2人で一匹に乗ることになり向かって右側に仲良く並んで座っていたのだが、なんかバランスがわるいので、Tとは逆向きに座り直す。 そして、象の背に揺られながら、象使いの怪しげな歌をBGMに、景色を眺めてインドに浸る。

それにしても歩いていると、どこからかバシュッ!バシュッ!っと水が飛んでくる。 Tにも飛んでくるらしくたまに、

 『ウオッ! なんだぁ?』

とか聞こえるのだが、何故か俺様に来るときは、Tには行かず、Tに行くときは俺には来ないのだ。
Tと二人でいったいそれが何なのか不思議がって様子をうかがうと、それはどうやら象の鼻汁らしい。 象が歩くと右へ左へと鼻が振られ、左に来たときに象が鼻をとばすと俺様が、右に来たときはTが鼻汁を浴びている模様である。 この鼻汁がかなり大量であり、鼻汁と分かると余計イヤなのだが、象も頑張っているので文句を言わずに耐える。

 「鼻汁だと思うといやだなぁ」
とTに言うと、Tはへらりと笑いながら、

 「んまぁ、俺はもう慣れた・・・」

と言いかけた時に、これまでにないぐらいの大量の鼻汁が飛んできてTビショビショ。 『慣れた』と言いかけた手前か、「グゥ」と悲鳴をかみ殺していたが、かなりいやそうな感じだった。 あの鼻汁は右の時で良かったなと。

またしばらくすると、前のインド象が歩みを停め、ウンコ垂れ流し出す。 すると俺様達の象もウンコ垂れ流し出す。 連れうんこだよ。 やろうども、出物腫れ物所かまわずって感じだ。
それにしてもすごい量なので、時間もかかる。 その間、俺様達は前の象の脱糞を間近に見せつけられながらウンコ待ちである。 まあ、象とてウンコしたい事はあるだろう。 許す。 しかし、なぜ左側の塀の上にウンコが有るのだろうか? それも結構たくさん。 どう見ても象の腰より高いのである。 象がふざけているのか、頭を小突かれる腹いせかどうかしらぬが、どのようなウンチングスタイルだとそうなるのか非常に気になるのだが。

ウンコが終わるとまた鼻汁をまき散らしながら道をすすむ。 すると女の子が下から、絵はがきを

 「ワンダラー ワンダラー」

と言いながら前の象に乗っている人に向かって投げあげていた。 1$で売りたいのだろう。 しかし前の人たちは買う気がないらしいので、今度は俺様達の象に寄ってきて、 「ワンダラー」っと言いながらTに投げつけてきた。 Tも買う気がないのだが、何度か投げている内に象の鞍の上にポトリと乗ってしまう。 それをためらわずに投げ返すT。 酷いやつだ。

Tのノーテンキインド旅行記 5

デリーを出発して約5時間後、正午も過ぎ、やっとジャイプール市に突入。まずはアンベール城塞に行く。
ここは、昔の難攻不落の城塞だったに違いない・・・。いや、たぶん・・・。すみません、実は良くわかりません。

とりあえず、ここでは象の背にゆられて城塞を登った。 しかし、今となっては、その象の鼻汁が右から左から襲い掛かってきた事しか記憶無し。要カッパである。
他は、象の運転手が

 「チップをもっと寄越せ」

とずうずうしい事を言ってやがったな。
たしかにチップは一人10ルピーが相場らしいのだが象は4人乗りなのに、俺らは2人だからね。 二人で20ルピーでなく40ルピー寄越せって事だろう。 ここでは俺様が頑張って、20ルピーしかやらなかったけどね。
しかし、ここで冷静に考えてみたが10ルピーは大体、日本円で30円。その後も事あるごとにチップをケチったり(特にオレ)したが30円を一生懸命ケチっていた事になるな。 日本の生活でもこれくらいケチっていれば、金持ちになるかも?

そうこうしている内にアンベール城塞に到着。 乗り場と同じく、高い所からそのまま降りることが出来る様になっている。
象を降り、象の背に乗っている象使いにチップでTの分と20ルピーを渡そうとすると何故か受け取らない。

 『あれ?いらないのか?珍しいインド人だな。』

とか思って去ろうとすると、何やら『待て』みたいなことを言っているし。 しばらく相手の様子をうかがうと、どうやら、『チップに40ルピー寄越せ』と言っているようである。 厚かましい事ではあるが、個人的にはその程度渡しても良いと思う。 しかし、象に乗る前にダーラムさんに、

 「チップは1人10ルピーだけに渡してくださーイ。 決してそれ以上渡してはいけませーン。」

とわざわざ念を押されているのである。 たぶん気前よく渡すと、今後の観光客に悪影響を及ぼすからであろう。
そのため、何とか拒もうとするが、象使いも引かない。 俺様と象使いのやりとりが長い為、勝手に発進しようとして、謎な棒で頭を小突かれまくる象が哀れである

いい加減、

 『20ルピーがいらねーんなら、やらねー』

と言う態度で去ろうとする事で、なんとか20ルピーを押しつけて退却させる。 俺様は勝ったのだ!