2001年4月30日(月) エレガントインド旅行(最終回?):そして伝説へ

 

ジャイプールに到着。 長い時間座り続けて体が固まってしまったかのようである。
車を降り、Tと二人で『ん~、ながかったなぁ』っと伸びをする。 すると、ふと後ろから殺気を感じ横っ飛びする俺様。 振り向くとTはそれをまともに喰らた様で、ドサッと地面に倒れる。 その後ろで不敵な笑いを浮かべるダーラムさん

 「あまーいデース。 インド人に背を向けて、インドを生きていく事は出来まセーンヨォー!」

と言いながら襲いかかってくる。 それに応戦する俺様。

 「強い!」

交える腕から、ビシビシとインドパワーが伝わってくる。 俺様とほぼ互角の腕前である。 しかし、俺様も応戦するが、倒れているTを庇いながらのため、油断をするとやられてしまう。 必死である。
しかし、運悪くよけた弾みに牛の糞に足を取られよろける俺様。 ダーラムさんの目がキラリと光り、それを逃さずに必殺技を繰り出してきた!

 「もーらいまーしたよォー! 奥義! ヒンズーアタック ですヨォ~ッ!」

ダーラムさんの体が金色に輝き、もう駄目だと思った時、後ろから無数のルピーの小銭が飛んできて、ダーラムさんのでかい顔にぶち当たる。

 「ルピーマシンガン!」

気絶からさめたTの、後ろから援護射撃であった。 ダーラムさんは予想外の攻撃を受けひるんでいる。 今度はその隙を逃さず俺様がとどめの攻撃を繰り出す。

 「ウォォッ! スーパー・ゴールデン・デリシャストライアングルアターック!」

俺様の攻撃をもろに喰らうダーラムさん。 あたかもスローモーションの様にゆっくり地面に倒れる。  俺たちは勝ったのだ!

まだ何を隠し持っているか分からぬので、油断無くダーラムさんに近づく俺たち。 するとダーラムさんは、

 「強くなったな・・・。」

と言いながら、アゴに手をあてる。 どうやら今までマスクを被っていたらしく、それをゆっくり脱ぎ捨てる。

 「何言ってやがる。どー言うつもりだッ!」

と問いつめようとしたところ、Tが驚愕の表情を浮かべてつぶやく

 「・・・お、親父。どうしてあんたが・・・」

ダーラムさんの正体は、数年前から行方不明になっていたTの父親だったのだ!

 「エアインディアでインドにたどり着く事も無理かと思われた、あの弱かったお前が、よくぞここまで。 さっきのルピーマシンガンはいい仕事してマース。
だが油断してはいけませーン。 私などはインドの恐ろしさのほんの一角でしかないですヨォ ・・・真のインドの恐ろしさはこれからデース。 これから・・・(ガクッ)」
 「お、親父? 親父ぃ。 死ぬな親父ぃ~! やっと逢えたんじゃないかぁ~!」

男泣きするTの肩を優しく抱いてやる俺様。 Tの叫びはジャイプールの街に寂しく響き渡る。
・・・


「メソメソしてられねぇ。 あの優しかった親父をこんな事に巻き込んだ奴をとっちめてやる!」
 「そうだ、その意気だ! 俺様も協力するぜ!」

と意気も新たに旅立つ二人。 真のインド観光はこれから始まるのだ!

 

~ Fin ~

 長い間のご声援ありがとうございました。 先生の次回作にご期待ください。

嘘じゃ