2004年9月30日(木) イズミール→アクアポリス→イスタンブール

 

朝起きて、車にて出発。

昨日、エーゲ海が暗くて見えなかったので、海経由の道をとってもらい、エーゲ海を見ることが出来た。
んが、思ったほどトルコブルーではなく、チョット残念。 海の場所によるのか、それとも近年汚染が進んでこうなったのかは良く解らないのだが、濁っているだけに見える。 江ノ島に近い。

その後ベルマガにある、アクロポリスへ向かう。
途中Nが、「トルコアイスは何処で食べれるのか?」と質問していた。 トルコアイスとは、最近日本で流行った、びょ~んと伸びる変なアイスである。
トルコアイスの感想は、「伸びるのは面白いが、味が無くて不味い」と大半の人が言うが、Tの嫁はトルコで食べたら美味かったと言っていたので、この味を確認するのもこの旅の目的の1つにしていたりする。

旅の最初の頃に、ムスタファさんは、「××でトルコアイス食べれます」と言うような事を言っていた。 しかし、その時は我らはトルコの地名が良く解っておらず、その場所に来れば出してくれて食べれるのだろうと思っていた。 んだが、いつまで経ってもその気配がないので、Nが辛抱溜まらずに質問したのである。 すると、

 「え?トルコアイス食べたかったですか?アレを売っているのはカッパドキアです。
言われなかったので、興味ないのかと思ってました。」

とムスタファさん。 「有名な店じゃなくても良ければ、どこか他でもで食べれるんでしょ?」と言ったところ、ムスタファさんは残念そうに首を振った。
話を聞くと、通称トルコアイスはトルコで昔から食べられていたアイスである。 もちろん、日本で紹介されている様に、びょ~んと伸びる。 しかし、味も無くて美味しくないので、近年トルコ人は食べたりせず、トルコでそれを食べたがるのは世界中から来る観光客の中で日本人だけらしいのである。
それで、今では食べられるところは、カッパドキア付近に限られ、それも客は完全に日本人のみなのだとか。

 「トルコ人は、もっと美味しいアイスを食べてます。」

との事。 一応、今後の旅の途中で探してみるけど可能性は低いとのことである。 残念である。
俺も出発前にトルコに旅行に行くという話をすると、かなり「トルコアイスが…」と言う話をしてくる人が多かったんだよな。 まぁ、帰国して感想を聞かれたら、

 「トルコアイスを食べているのは世界中で日本人だけだ。
トルコ人はもっと美味しいアイスを食べてるんだぜ。」

と答えよう。 これがトルコ通に違いない。

20040930-1そのうち、ベルガマに到着し、アクロポリスを見学する。
このアクロポリスも、昨日みたローマ帝国時代の遺跡である。 円形劇場が有ったり、いかにもって感じの遺跡だ。 丘の上にあるので、遺跡から下を見下ろすと、まるで空中都市にいるかのようである。
ムスタファさんには解説を終えると入り口で待っているので、自由に見学して戻って来るように言われ、Nと2人で見学開始。

Nは、

「このアクロポリスだけで、以前のヨーロッパ旅行でみた遺跡よりボリュームが多い。」

と再び悔しがっていた。

それにしてもこのあたりから、Nの体力が残り少なく成っている模様である。
亡霊の様にフラフラ歩き、ほとんど喋らず、こちらの呼びかけにも応答がほとんど無くなっている。 まぁ、普段から体力が無い男ではあるのだが、まだ昼前なのに早すぎる。

話を聞くと彼の体力回復システムは、宿で休んでも回復しないらしい。 ドラクエシステムは採用されていない様だ。 なので、日本を旅立った時が彼なりの体力MAXであり、そこからは徐々に消耗していったらしいのである。
エジプトの時はもっと体力が有った様に見えたのだが、あれは恐らくTがいたからだな。 TはN以上に体力の少ない男であり、NとTは良いライバル関係にあるので、お互い弱みを見せぬようにガッツを出していたのだろう。
んで今回、Tと言う当て馬がいないので、素直に弱音を吐いている様子である。
自分でも体力の限界を自覚しているらしく、

 「例えるなら、ビームライフル残り1発しか撃てない! って位のエネルギーだ。」

とか言っているし。 つか、そんなに無いだろうに。
俺は思いきりの良いパイロットなので、「どうせ一発しか撃てないのなら!」と捨ておいて、アクロポリスを縦横無尽に探索する事にした。 おかげで迷子になってしまい、入り口に戻るのに苦労してしまった。

車に戻るとイスタンブールに向かって出発する。 これまた長距離車に揺られる事になり、Nはさっさと眠りについている。
正直観光自体より、移動時間の方が数倍長いな。 今回の我々のツアーのコースは定番ではあるが、10日程度のツアーでこれらを全部回ると言うのは、ムスタファさんが受けるガイドの仕事の仲でも過酷なスケジュールなのだそうである。

昼頃バルケシルという街に到着。
ムスタファさんはトルコアイスの件を気にしていて、ここに来るまでの間も色々なところで売っているところを探してくれたのだが、結局この街でも見つからず、申し訳なさそうであった。
この街にはアイスを探すついでに寄ったようで、ついでに昼食も摂る事にしたのだが、いつもは寄らないらしい。 なので、「日本人は初めてかもしれません」と言っていた。
この街は観光地でないのだが、繁華街の様な感じで、現地の人が溢れている。 ヤケに携帯電話屋が多かった事が印象深い。 ちなみにトルコでも携帯電話はかなり普及している。 でも携帯電話の主流は日本と違って折りたたみ式は1つも見かけなかった。

昼食後は再びイスタンブールに向かって出発し。 ヤロワという港からは車ごとフェリーでマルマラ湖をわたる。
対岸に到着すると、ムスタファさんとお別れである。 ツアーとしては後1日あるが、明日はガイドなしのフリーの予定となっている。

 「今回のトルコ旅行が気に入ったら、日本でトルコは楽しかったと宣伝してくれると嬉しいです。」

との事である。 彼には旅行中本当に気を配って頂き、おかげでトラブルゼロで楽しく観光する事が出来た。 こんなにトラブルが無い旅行は、俺の人生では例がない。
言われるまでもなく、トルコ旅行は見所も多いので、一度は行って損はないんじゃないかと思う。

名残惜しいが、トルコ式のキス(両頬を軽く合わせる)をして別れる。 トルコ式キスの勝手がわからず思い切り頬を合わせてしまい、ムスタファさんの短い髭がジョリっと擦れた感触が忘れられぬ。

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その後、運転手さんに、イスタンブールにある、初日に泊まったホテルに送ってもらい、運転手さんともお別れである。
いよいよトルコに来て、初のNとの2人っきりの状態。 何かトラブルが起こるとしたら、これからであるな。

ホテルに到着したのは、真夜中になってしまったのだが、せっかくなのでホテルの前にある、にぎやかなイスティクラル通りを散歩してみる。

しかし気付くとNが死にそうに弱っているので、程良く切り上げて明日に備えて寝ることにする。