3月 1 1998
NN(その5) | 俺様について
大学に入学し、一人暮らしを始めるために友人たちと生活雑貨を買いに行った。
一通り買い物が終わり、NNが
「他に何か買うものあったっけ?」
と言うと、
T:「NN、洗い玉買ったか?」
NN:「なに? 洗い玉ってなに?」
T:(手で形を説明しながら)「米とぐ時に入れる玉だよ。 しらないの?」
もちろんそんな物は無いが、まわりもそれに合わす。
O:「そういえば、洗い玉まだ買ってないな」
NN:「へー知らなかった。 洗い玉か。 でも何処にあるんだろ?」
T:「店員に聞いてみれば?」
NN:「すみません。 洗い玉は何処にありますか?」
店:「洗い玉ですか? そういう物はこの店には置いてないですね。」
と首を傾げながら店員が答える。 そりゃあ無いだろう。 あるわけない。
そんなやりとりの後、とりあえずその日のの買い物では諦めることに。
そのまま、数週間そんな事があった事を忘れていたある日、
NN:「なあ、『洗い玉』がいまだに買えないよ。 早く米炊きたいんだけどなぁ。 金物屋とかならあるかな?」
と言い出した。あれからいろいろな店で探していたそうだ。
T:「NN、あれは嘘だよ。 『洗い玉』なんて物はこの世にないぞ」
NN:「まじかよ? あれから店員に『米とぐ時に使う洗い玉ありますか?』って手で形を説明しながら聞いちまったよ。」
いろいろな店員を悩ませながら、やっとNNは米を炊くことが出来るようになった。 めでたしめでたし。
NNよいつまでも天使の様な純真な心で生きてくれ。
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3月 1 1998
NN(その6) | 俺様について
大学のテスト。 理系のテストでは電卓の持ち込みは可である。 計算と言うよりその理屈や過程が分かるかどうかが重要だからだろう。
しかし、結構電卓忘れて来るやつは多い。 俺様も結構忘れる口である。 そういう場合は、その時間のテストで電卓を使わない他のクラスの奴に借りに行ったりして調達するのが常。
或るテストの日、電卓忘れたり借りたりと言う行動が各所で行われている。 それにしてもNNが来ない。
「NNの事だから絶対電卓忘れて来るぞ」
「早く来ないと借りに行く時間もないのにな」
と言っていると、NNが、
「あぶね。 間に合った」
と言いながら教室に入ってきた。 みんなに、『お前電卓持って来たか?』と聞かれると、
「あったり前だろ。 ジャジャーン♪」
と効果音付きで取り出すNN。 取り出されたのはテレビのリモコン。
周りはみんな『!?』と言うマークを浮かべた顔でリモコンを見つめているが、NNは得意げ。
「それテレビのリモコンだぞ」
「うぉ! 本当だ!!」
「なんでそんな間違いするんだ?」
「だって、数字が全部ついているし、+と-まであるんだぜ。」
と自分の間違えがもっともである事を、我々に認めさせようとしているNN。 しかし、せめて液晶画面が付いているリモコンと間違えて欲しいところだ。
とりあえず、何とか調達しようと部屋を出ていくNN。 しかし、時間ギリギリだから他のクラスに借りるのは無理だったのだろう。 そのままNNは帰ってこなかった。
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