3月 1 1998
T(その1) | 俺様について
Tの家に遊びに行った。
Tは今度出張で上海に行く事になったらしく、部屋には中国語の本などが数冊置いてあり、
「なあ、『是』ってどう発音するんだ?」
など質問を始めてきた。 そして一通り、そこら辺の話がすんだので、俺様はそこら辺に転がっている雑誌を見ていると、
「私の叔父は職人です」
とTが言い出した。 そっちを向いてみると、まだTは中国語の勉強をしているらしい。 が、無視して雑誌を読み進むと、
「私の姪は中肉中背です」
とTが言った。
『お前の姪はまだ2~3歳だろ!』
と思ったが、黙って雑誌を読み続ける俺様。
しかし、Tはその後もしばらく、
「ナイススマッシュです」
等と、どんなシチュエーションを想定しているのか不明な練習し続けているため、集中できなかった。
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3月 1 1998
T(その2) | 俺様について
高校の部活の話をしていたら、Tが山岳部だったと言い出した。 なにやら女の子が多かったから入部したらしい。 まあ、そんな理由だろうとみんなで受け流していたら、Tは悔しくなったようで、
「でもなあ、練習は真面目にしたんだぞ。
近くの山にトレーニングで登りに行くのに、学校近くの海岸で砂20Kgもリュックに詰めて行ったんだぞ!!」
と言った。 みんなそれには感心して、『そいつは凄いな』と褒めた。 『山登りでは、100gが1Kgに相当すると言う話が有るくらいで、単純計算でも200Kgだ。 それは大げさだとしても、かなりの重さで平地を歩くのも大変だよな。』と言ったような話をしていると、
「実は電車に乗る前に、駅で半分(10Kg)捨てた」
と白状した。 さすがに最後まで20Kg背負って行ったと言ったら、そのうちバレると観念したようだ。 しかし、『それでも10Kgは凄い』と皆でまだ褒めた。 すると、
「実は電車を降りて、さらに半分(5Kg)捨てた」
と白状した。 「ふーん。 でも本番に備えて負荷付けてトレーニングするんだな」と言うと、
「山に着いて麓で残り(5Kg)を捨てた」
と白状した。 チとTが哀れになってきたので、「でも、ちゃんと山登りのトレーニングしてたんだな」と言うと、
「そして、山に登らず電車に乗って帰ってきた」
と白状した。 いい加減呆れて、
「お前ら結局電車の中で砂背負っていただけかよ!!」
と俺様が言うと。
「いや、電車でリュックは下ろして地面に置いていた」
と白状した。
まあ、一番最初の発言に嘘はない。 それにしても、いったい彼らの部活は何をしていたのだろうか? 海岸の砂を各地にばらまいて帰ってくるとは、はた迷惑な団体である。 せめて山登れ。
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