2000年5月4日(木) 晴れ 名古屋発、大阪入り

 

朝の内にチェックアウト。 名古屋名物『喰いきれないほど出てくるモーニングセット』にチャレンジしようと、喫茶店を探す。

ホドホドの量が普通のモーニングセットである事を意味するッ!
これが『名古屋のモーニングセット』だッ! 
ギャーン! バルバルバルーッ!

なんでい。 普通の量じゃんか。 おかしいな、大抵の店では喰いきれないほど出てくると言っていたのに外したかな? 失望の内に旅立ち。

名古屋を南下し、東名阪道路に突入し、国道25号を西へ進んで大阪に向かうことにする。
途中伊賀で小休止。 とりあえずKに現在位置を知らせようと電話をしようと思ったが、電波が入らず。 さすが忍びの里伊賀、外部からの情報をシャットダウンしているに違いない。 そうに違いな。
出発しようとバイクに向かうと、でかいガムを踏んでしまい、足ネバネバ。 さすが忍びの里伊賀、マキビシが現代にこういった形で伝承しているに違いない。 そうに違いない。
なにやら店員の人も俺様をじろじろ見ており、油断ならぬ光を放っている気がする。 忍びか?

天理より高速道路に突入し、オリャー、テリャー、ヌリャーってな感じで大阪に突入し、今日の宿Kの家の近く東成区に到着。 電話で『消防署の前にいる』と伝えたが、「そんな場所しらん」とK。 そこで言われた最寄り駅だという田辺駅にたどり着き、なんとかKに遭遇。
3年振りぐらいか? 最初『ヘロヘロと変な奴が近づいてくるな』と本気で思ったらKだった。 彼は昔から全く覇気がなかったが、現在は全く生気がない。 もう枯れてしまって、死にかけているのではないだろうか? そりゃあ、「死んで何年になるの?」とタクシーの運転手に聞かれてもしょうがない。 そのままバイクを押してKの家に行く。 消防署からほんのちょっとの距離じゃねーか。 なんで知らないんだか相変わらずなやつ。

Kの部屋は引っ越ししたての様に物がない。 数年前に川崎にいた時より少ない。 「部屋が狭いから物を増やさないようにしてるんや」と言っており、確かに狭いが物少なすぎだな。 こんなんでよく生活できるな。 部屋をごそごそ漁ってみるも、何もないのですぐ飽きた。 そのまま部屋で昼寝したり、テレビ見たりゴロゴロ時間をつぶしてから、晩飯を食いに出かける。

途中Kに「標準語喋らない方が良いのか?」と冗談で聞くと、
 「ああ、外人の様に見られるから、やめておいた方がええ」
「でも俺は横浜出身だぞ」
 「ならオッケーや。 横浜と言うと、こっちでは好感もたれるでぇ。 人に出身聞かれても『横浜です』と答ええや。 間違っても『東京です』と言うんやないでぇ」
との事。 ・・・面倒臭いぞ大阪。

晩飯は難波に最近出来たらしい、鶴橋に本店がある名前を忘れたが有名なお好み焼き屋。 確かに美味い。 食い過ぎで部屋に戻る。

Kの部屋のすぐ横は非常階段になっている。 そして、夜中の2時頃に『キャーッ!!』と女性の悲鳴と共に人間が落下する音が頻繁に聞こえるらしい。 Kは怖くて落下直後に様子を見に行った事は無いらしい。
 「よし、今日明日にそれが起こったら見に行ってやる」
 「ほんま頼むで」
 「お前もついて来いよ」
 「いやや、こわいやん」
 「鍋かぶって、スリコギ握りしめて来いよ」
 「鍋もスリコギもない」
と、何が何でもついて来る気は無いらしいが、確認はして欲しいらしい。 と言うのも、この部屋結構いわく付きで、結構本気でビビっている模様。

夜になり、いつでも起きれる態勢で就寝に挑む。 その為わずかな物音にも起きながら寝る。
夜中の2時頃に、「カンカンッ! ゴンゴンッ」と音が聞こえ目をさますが、「あれは掃除している音や」とのこと。 変な時間に掃除するもんだな。 へんなアパートだ。 Kも毎回この音で目が覚めるので気に入らないらしいが、諦めているとの事。

夜中の3時頃に今度は『キャハハハハハッ!』と女性の笑い声が聞こえて目を覚ます。 「いっくぜぇー! オラッ!」っと体を起こし、聞き耳を立てるが落下音は聞こえなかった。 「落下しねーな」と言うと、「そやなぁ」とK。 今日は違うらしいな、残念。