2001年4月29日(日) エレガントインド旅行(06):夜のお仕事

 

ホテルに到着。 この今日のホテルは、HOTEL CLARK INNと言う。
フロントの手続きをダーラムさんにやってもらっている間、ソファーに座っていると、ボーイが水を持って来た。 生水かどうか分からないのでとりあえず遠慮しておく。
しかし、この暑さで部屋に行ってからも水が無いと困るので、ダーラムさんに頼んでペットボトルの水を買ってもらう。 ついでにここで、水の値段の相場もつかんでおこうと思ったのだが、ダーラムさんはさっさと手続きをして

 『お金はイーヨォ』

と言って受け取ってもらえないため値段は不明である。

明日は7時半にホテル出発予定なので、ダーラムさんがフロントに、モーニングコールを6時半、朝食を7時に部屋に持って来るように手配。 朝食を部屋まで持ってきていただけるのはありがたいな。 これならチップを渡す程度だろうし、余計なトラブルも避けられるだろう。

ダーラムさんと別れ、ボーイに連れられ部屋に向かう。
このホテルはランクとしては中級だろうか。 この後に泊まるホテルは、持っていたガイドブックにも載っているのだが、このホテルだけは載っていないし、最高級とは言えない。 しかしまあ、広いし十分だ。

ガイドブックには『ホテルにはクーラーがついてない事が多い』と書いてあったが、このホテルはついていた。 また、『掛け布団はない』とも書いてあったが、これはその通りなかった。 風呂もごく普通。 何故かシャンプーが真っ黒な色をしていたのが印象深い。

風呂を出ると、Tがクーラーをいじっている。

 「う~ん。いまいち使い方が解せぬ」

と、なんか思い通りの動きにならないようだが、なんとか快適な温度にする事が出来たようなので、そのまま寝ることにする。 俺様は掛け布団がないとなんか落ち着かないので、シーツを引っぺがしてくるまって寝る。

・・・
しばらくして寒さで目が覚める。 クーラーが利きすぎているようだ。 頑張ってシーツに何重にもくるまってミノムシのようになりながら耐えるがやはり寒い。 Tは俺よりクーラーに近い、というかクーラーの真ん前にいるのだが、平気な顔してグーグー寝てやがる。 鈍感なやつだ。
しょうがないので、自分で温度を調整しようかと思ったが、明るい時にTがあれだけ苦労してたものを、暗闇の中で上手く操作できる気がしない。 動きが怪しいらしいし。
Tを起こすのも気の毒なので、シーツでTをバサバサ扇いで、自然に起きるのを待つ事にする。 しばらく扇いでいると、Tがムクッと起きあがり、

 「うぅ~、寒ぃ~」

とフラフラしながらクーラーを調整し始めたので、彼に任せて眠る。

・・・
夜中になにやら人の気配がするので、再び目を覚ます。 横を見ると、Tの上にのしかかっている人がいる!

 『うひぃ~! 強盗? お化け? インド人の? どれもイヤ!』

と思いながらよーく見ると、Tの上にのしかかっている人ではなく、それはT自身だった
様子を伺うと、片膝たてて、ベッドの背もたれ部分を、ツーッとなぞったり、微調整するかのようにダイアル(そんなものないのに)を慎重に回している。 こいつ寝ぼけてやがる!
どうも仕事の夢っぽいな。 凄く一生懸命だし、仕事のじゃまをしては悪いので、そのまま無視して寝る事にする。