5月 13 2008
2008年05月13日(火)
午後の授業が始まる前に、日女1人が爆発して教室を飛び出して行った。
しばらくすると、戻ってきてカバンをつかみ、また飛び出して行こうとしており、表情から並々ならぬものが伺える。
ここ数日の事から、クラス内の生徒間の揉め事で有る事は薄々察しが付く。放っておくわけにもいかん。『付いて行ったら、むしろ邪魔だろうか?』と言う心配はあるが。
なんか不満をぶちまけたいと思っていそうだし、それには言葉が通じる相手で、あとその状況を知っている人の方が良いだろう。こういう時に、他に同じ国の女子でもいれば、俺がでしゃばる必要もないのだが、このクラス内では俺ぐらいか。様子をみて、邪魔になるようなら、引き上げようと、取りあえず追っかける。
幸い邪魔者にはされず、色々な状況を聞くが、やはり問題はクラスメイトとの関係であった。相手とは、お国柄や文化の違いも有り、言葉も充分に交わせないので、日本で生活する以上に意思の疎通が上手く行かず、なんて事の無い事でも、話がこじれていく物のようである。他のクラスでも少なからず同様の問題は起こっていると聞く。
普段、明るく振る舞って元気いっぱいの娘なのだが、かなり無理していたらしい。心底疲れきった様子である。こんな状況では勉強にも身が入らないだろうし、何のためにここまできて勉強しているのかわかるまい。不憫である。
そうか、若い時の留学とは、語学の勉強だけでなく、ここらへんの対人や環境における成長も同時にしなくては成らないんだな。
留学というと、若いに越した事が無いと思っていたが、そればかりではないのだな。タダでさえ、異国の地で、問題に対するストレスを解消するのは困難だろうな。
俺もまぁ、こちらに来て対人関係を含めて嫌な目には有ったが、既に長い人生経験で、ストレス発散の術を身につけているので心配はない。例えば、木を殴る蹴るとか、布団や枕を殴りまくるとか、壁に向かって体当たりとか、非常に平和的な解消法が沢山あるのだが。
しばらくして彼女は一応落ち着きを取り戻したようではあるのだが、この場の感情がおさまっても、原因が解決しない事には無意味だよな。AYAはGeneralと違って11週間クラス替えがないので、よりこの手の問題は出やすい上に、クラスを変えて貰う事もできんし。
う~ん、つか自分の場合でも、人間関係の解決だって、そうそう上手く行く物では無いのだから、若い女の子の人間関係なんてどうして良いのやらサッパリである。本人が解決策を見いだすしか有るまいし、俺はそれを出来る限りフォロー出来れば良いのだが。
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5月 15 2008
2008年05月15日(木)
早くもAYA2もコースの半分が終了。本日ここまでのアセスメント(評価)を受け取る。
スコア的には中の上ぐらいで、悪くない、むしろ良いって感じである。やはり、リスニングとスピーキングに難がある感じで、ライティングは文句ないようだ。自分で思っているとおりの結果である。
それにしても、コメントでなんかメチャクチャ褒められていて、気味が悪いのだが。
取り敢えず、アセスメントでの褒められップリを確認しようと、分からない単語を調べて書き込んでいたのだが、それを見たTKS(日男)に
「今更、”However”を辞書で引いてんの?」
と指摘される。…うむ、それは我ながらそう思う。
今まで、”However”は何回も目にしてその都度調べているのだが、何故か頭に入らない。他にも、何故か何度調べても覚えられない単語って奴がいくつかあるのだが、Howeverがその最たるものである。TKSには、
「”However”は”But”で置き換えれば良いよ。」
と言われた。なるほど、日本語の意味が覚えられないのなら、英語の状態で置き換えてしまえば良いかもしんない。
そういや、グレイの曲で、Howeverって曲があったな。意味を気にしたこと無かったが、「しかしながら」ってタイトルだったのか。変なタイトルだと思うが、曲の内容知らないからか?
ちなみに、横にいたKK(日女)はこの曲のことを「forever」だと思っていたとのことだ。そっちの方が、歌のタイトルっぽいな。
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その後も、TKS(日男)、KK(日女)と三人で、英語に関して色々感じている事を話す。みんな日本人なので、色々と日本人ならではの苦手なポイントが一致しているようである。
なんと言っても、悩みの筆頭は「Present Perfect(現在完了形)」だ。
日本の授業だと、過去の話をするとき、「Past Simple(過去形)」と、現在完了形の結果、継続、経験とか話がでてくるので、よくわからん。特に現在完了形の3つのどれに該当するのかの判断については、良く触れられていない。だいたい「文脈で判断」って感じに説明されている様に思うが、結局それって使われている動詞次第で判断って事であるよな。一時的な動作を表す動詞か、状態を表す動詞かで判断をすればいいんだな。これが。
逆に自分が文章を作る時だが、その文章に過去形を使うのか、完了形を使うのかが悩みどころだったのだが、
「同じ事実を話すのでも、それをどういう意味で伝えたいのか。」
でどちらを使うのかが決まる事がやっと理解できた。俺はこれまでずっと、同じ事実には、どちらを使うのかは決まっている物なのかと思っていた。でも、まだ使うときに悩まされるし、正しく使えてない気がするけども。
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あと、個人的には日本でちゃんと教えたほうが良いと思うのが「Present simple(現在形)」。
“現在形”と言うと現在の動作を表すような気がするし、実際学校でその様な感じで習った覚えがあるのだが、現在形は”現在行っている動作”ではなく、”習慣や普段の動作”を表す。普段の動作であるから、「I drive a taxi.」と答えると、「私の仕事はタクシー運転手だ」と、普段の仕事について言及してる場合もある。
なので、「お前も行くの?」と聞かれて、「I go.」と答えたら、「俺は普段行く」と言うニュアンスになり、通じなくもないが、何か変だ。行くなら、「I
will go.」とか、「I’m going to go.」と答えるべきだよな。
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「Yes/No」の問題も悩ましい。
新婚カップルのYes/No枕で、今夜はOKかどうかの判断をするという悩ましい問題ではないのだが、これってほんとに紛らわしい。まぎらわしい上に、意味が完全に逆になるのが厄介である。
例えば、「Will you go?」(行くの?)に「yesなら行く」、「Noなら行かない」と言うのは問題ない。
だが、「Won’t you go?」(行かないの?)の場合でもでも「Yesなら行く」、「Noなら行かない」っていうのが混乱する。質問に対してではなく、行動に対して肯定か否定かで答えなくては成らず、日本語の感覚では大抵間違える。
個人的な対策としては、Yes/Noで答えず、文章で、「I will go」とか答えるが吉と思っているが、結局それって行動に対してのYes/Noを考えてから文章に作っているだけではあるのだけども。
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未だにやってしまうのが、疑問文なのに、肯定文の語尾だけ↑にあげて、疑問文のふりをする事だ。これは、周りを見ても上級者ですらやっている人が多い。
取り敢えず話し始めて、文の最後の方に、「あ、疑問文だった。」と思う事は多く、こうなってしまう事は多いんだよな。
似たような悩みで、付加疑問文の言いづらさも、なかなか馴染めない。
文の最後にで、付加疑問文にしようと思っても、「いまの主文は肯定文だっけ?一般動詞だったか?Be動詞だったか?助動詞は?」とか直ぐに出てこない。文をもう一度作り直しているような感じであり、労力が二倍である。
あと、なんか知らないが、個人的にこの付加疑問文は、気恥ずかしくて使いづらい。
これに対して俺が最近知って使う技としては、「肯定文の後”right?”」と付ける事だ。これだとちゃんと疑問に成っているので、オススメである。
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これは、大した問題ではない物の、個人的に謎な、「ワッツ、ハプン(どうしたの?)」。
これって多くの場面で使われており、言う分には曖昧に、「ワッツ・ハプン」と言っていれば良いのだが。
1.What’s happening?
-> 1.1 What is happening? (何が起こっているの?) (現在進行形)
-> 1.2 What was happening? (何が起こっていたの??) (過去進行形)
2.What happened? (何が起こったの?) (過去形)
3.What’s happened?
-> 3.1 What has happened? (何が起こって、今に至るの?) (現在完了形)
-> 3.2 What is hapepended? (何が引き起こされた?) (受動態)-> 3.3 What was hapepended? (何が引き起こされた?) (過去受動態)
のどれなのよ?と非常に謎。文法的にはどれも合っているし、意味的に合ってそうある。
これって聞く本人が、その起こっている出来事が、今なのか、過去なのか、まだ続いているのか、終わっているのかと言った状態を踏まえて言い分けるのが正しい気はするんだけども。
この質問に関しては誰も答えが分からず、TKSが今度先生に聞いてみると言っていた。
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似たような響きの問題で、「ウォント」がある。
“will not”の省略形は”won’t”(ウォ~ント)と言うのがあるが、この発音が”want”に似ているので聞き間違うと言う話。
実際は、”will”は助動詞で、”want”は動詞なので、”won’t”と”want”を間違えたら文法が合わなくなり、どっちか判断できないと言う事はないのだが、会話の中ではそこまで文法に注目して聞いていないので、混乱してしまうのである。
ここら辺は誰も解決法もなく、
「とりあえず自分で言う時も間違えられないように、”won’t”を使わず”will
not”を使っている。」
と言っていた。
ただ、これらを取り変えても、文法的にも正く、意味の違う文が作れそうに思え、面白そうなので、皆でチャレンジ。
まず、以下の2文章を作ってみた。
1.I won’t go to a park. (公園に行かない)
2.I want to go to a park.(公園に行きたい)
うむ、惜しい。2の最初の”to”が邪魔だ。
“to”を消す技として浮かぶのは、parkの代わりにhome,here,thereなどのadverb(副詞)にすれば、toは必要なくなるのだが、それらに置き換えてしまうと、
1.I won’t go home. (家に行かない)
2.I want to go home.(家に行きたい)
となり、1のほうでも”to”が消えてしまい、結局問題は解決せず。
そもそも問題は、”won’t”の後はverb(動詞)で、”want”の後がnoun(名詞)なのが問題である。
すると、TKSが、
「名詞と動詞の両方の意味をもつ単語を使えばよくね?」
と提案。そんな単語あるのか?と思ったが、”help”なんかがそうである。さすがTKS、英語教師の免許を持っているだけはある。
1.I won’t help[動詞].(俺は助けない)
2.I want help[名詞].(俺は助けが欲しい)
おお、完璧だ。
しかも、名詞での”help”のはuncountable noun(不可算名詞)なので、article(前置詞)も不要だ。これがcountable noun(可算名詞)だったら、2の方だけにhelpの前に”a”がついて、I want a help.となって、1と合わなくなるところだった。
文法的にも間違いのない文が完成して皆満足。
これの使い道としては、荷物が多くて運ぶのに困っている人の前で、自分も荷物タップリもって、
「アイ ウォ-ント ヘルプ」
と言ってみるのだ。まぁ、どっちの意味で通じても、どちらにしろ困っている人にとって嫌な奴ではある。
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同じ英語でも、アメリカ英語とイギリス英語の違いの問題もある。
エレベーターを英では”LIFT”で、米では”ELEVATOR”と言った、単語が違うと言うと言う事もあるが、そんなことより多く使う機会の多い、助動詞の”Can”が問題だ。
「Can’t」はアメリカ英語だと”キャント”だが、オーストラリアはイギリス英語であり”カント”と読む。なんか、肯定文の”Can”に関しては、”キャン”でも通じるッポイのだが、否定に関しては”キャント”と言うと、否定だと思って貰えないことが多いのだ。
ちなみに、渡豪前に、
「オーストラリアで、”Can’t”は”カント”と発音する。でも、”カント”と言うエロワードも存在するから要注意」
と、どう注意して良いか解らないアドバイスを受けたのだが、その時はそのエロワードが何か見つけられなかったのだが、今日皆で探したところ、「cunt」の事っぽい。ただ、微妙に発音は違う様だ。
まぁ、これも名詞と助動詞の違いがあるので、文脈から間違えることは無いだろうな。そういえばや、先日のドイツ語の「もしもし」だが、ドイツ後の「もし」は、この「cunt」と同じ意味だったようだ。
このエロワード、ヤケに色々登場しやがるぜ。
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その後、隠語のエロワードを辞書で調べてみんなで大笑い。まるで中学生が辞書でエロワードひいて遊んでいる様な状態である。
その中で、「射精」が「get off」と言う言い方をすると言うのが皆の興味を引く。
この「get off」はバス等の乗り物から降りる事にも使うので、バスを降りようとしている人に、
「Are you getting off?」
と聞くと、「降りるのか?」と聞いていると共に、「イクの?」とも聞いているっぽいな。
他には、
「I get off on time.」
と言うと、「私は時間通りに降ります。」だが、「私は時間通りにイキます。」にもなるなぁ、等々と色々シチュエーションを想像して大笑い。
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こういう話も、日本ではなかなか出来ず、やっても今までは入ることも出来なかったのだが、とても楽しく時間を忘れて没頭してしまった。
俺も、英語に関してこんな話が出来るようになったのかと、少々自己満足である。
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By 俺様 • 2007-2008年 オーストラリア留学 • 0